地震大国日本において、地震はいつどこで起こるかわかりません。
また、地震が起こったとき、「家族や家はどうなるんだろう」と心配は尽きません。
しかし、そればかりに怯えて生活するわけにもいきません。
安心して生活するために、今回は、地震などの災害に強いと言われる、マンションの防災対策について、ご紹介していきましょう。
マンションの防災力について
ご存じの方もいるかもしれませんが、東日本大震災の際、倒壊など大破したマンションは、なんとゼロという記録があります。
また、阪神・淡路大震災では、約9割のマンションが、軽微な被害もしくは無被害でした。
しかし、特に阪神・淡路大震災では、地震発生が早朝だったこともあり、家具の転倒による死傷者が多く出たという事実もあります。
そして、建物自体が損壊せずとも、ライフラインの停止によって、避難生活を送った人は、マンションにする人の半分以上の人だったと言われています。
それを考えると、マンションの防災対策を紹介するにあたり、ポイントとなるのは、マンションのハード面、ソフト面、そして、それら2つを管理する、管理組合という組織について知る必要があります。
ハード面
マンションの構造自体は、国土交通省の定めた建築基準法の耐震基準に適合しないと建設できなくなっており、構造的に強くできています。
さらに、最近のマンションにおいては、制震構造や免震構造など、最新技術が取り入れられる例も増えており、マンションの構造そのものの防災力が高くなっています。
ソフト面
マンションはもともと、防災意識が高いと言われます。
それは、管理組合内に、防災担当者が設置されており、積極的に防災対策に取り組んでいるからです。
防災訓練やマンション全体での防災備蓄、防災マニュアルの作成など、マンションの立地特性から想定される被害にあわせた防災対策を行っているマンションも増えています。
その他にも、新築物件の中には、竣工前から住宅向けの防災プログラムを準備していたり、防災マニュアルや防災リュックを各戸に配布していたり、最初から防災を組み込んだマンションもあります。
マンション防災の具体策
マンションにおいける防災対策について、ソフト面を詳しく紹介するために、具体的な対策をご紹介していきます。
地震発生時の初期対応
まず地震が発生した時、大きな地震であればあるほど、横揺れが激しくなり、家具と一緒に自分が投げ飛ばされる恐れがあります。
それを防ぐために、固定された丈夫なものにつかまることが大切です。
また、落下、転倒する家具や食器棚、割れてガラスが飛散する窓から離れます。
そして、クッションや布団などで体を保護し、落下物などの衝撃から身を守りましょう。
保護するものがない場合は、身体を丸めて、手で頭を保護します。
避難の前にすること
揺れが収まっても慌てて行動すると、床に飛散しているガラスや陶器の破片でけがをする可能性もあります。
避難の前に注意すべきことをチェックします。
玄関のドアが開閉できるかどうか、共用廊下の窓を開けたり、バルコニーに隔て壁を突き破ったり、ケガに気を付けながら外につながる避難経路を確保します。
最後に、家族がいる場合は、飛散物が少ない居室や、共用施設といった安全な場所に家族を誘導します。
居室から避難するときには、火の元の確認を忘れないようにします。
防災用品の備え
地震が発生した際の初期対応や、避難する前の確認も大切ですが、日ごろからの備えも重要です。
マンションの中にある防災備蓄倉庫の内容や量、非常時に居住者が誰でも利用できるように、用具の保管場所や利用方法、防災備蓄庫の施錠や管理方法も、事前に確認、共有することが大切です。
また、個人でも自分の身を守る対策をするとより安心です。
特に食料品については、10日分×家族の人数分が目安です。
管理組合の役割
最後に、マンションの管理組合が取り組んでいる防災対策について紹介していきましょう。
防災マニュアルの作成
防災マニュアルは、居住者が災害に遭った際、どのように行動するかを、昼間の場合、夜間就寝中の場合の2パターン作成しておきます。
また、管理組合の役員として、何をすべきか、あらかじめ決めておきます。
避難訓練の実施
マニュアルを作成し、実際にどのように運用するか、訓練をすることも大切です。
地震の場合、火災の場合など、シチュエーションを変えて行います。
緊急用居住者名簿の作成
災害時の安否確認必要なものに、居住者名簿があります。
PC内に保存するのではなく、すぐに取り出せるように紙に印刷して保管しておきます。
また、情報が古くなっていては、意味がなくなるので、定期的に情報更新も大切です。
防災用具品の準備
防災用具と備蓄品は、立地、建物の規模、構造、保管スペースなどを考え、足りないということがないように、準備しておく必要があります。
防火管理者の設置
マンションにおける防火管理者は、収容人員数50名以上の場合、もしくは、店舗などがあり不特定多数の人の出入りがある場合は、30名以上の場合に、防火管理者の選任が義務付けられています。
防火管理者は、消防計画の作成、消火、通報、避難訓練の実施、消防用水や消防活動に使用する設備、施設の点検及び整備など、多くの業務があります。
まとめ
最近のマンションは、ライフラインを保つ設備や備蓄等、よりよい防災強化策が講じられています。
マンション選びの際にも、また、自分が住むマンションでは、備えが十分かなど、日ごろから防災対策を把握しておくことも大切です。
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