倒木で隣家に傷つけたときの責任は?意外と知らない賠償責任の話!

倒木で隣家に傷つけたときの責任は?意外と知らない賠償責任の話!自然災害

近年、大型の台風の発生や、異常なまでの豪雨など、異常気象による自然災害が頻発しています。

特に大型の台風の発生時には、大きな木でさえ強風で倒れてしまい、家屋が損壊したり、いろいろな建物への被害も多く発生しています。

今回は、意外と知られていない倒木被害について、賠償責任の有無や、倒木被害が起きないための対策などを紹介していきたいと思います。

台風による倒木の原因

まず最初に、倒木被害が起きる原因について、簡単に確認していきます。

台風の強風により起こる倒木の原因は、大きく分類すると3つのパターンがあります。

一定の規模を超えた台風

樹木は、通常の雨風では、折れたり、倒れたりしないように、成長して幹や枝を強化し、地中に根をしっかりと張り、樹体を支えています。

ですが、一定の規模を超えた台風においては、どうしても樹体を支えることができない状況になります。

具体的に言うと、最大風速で約22m/毎秒以上、最大瞬間風速で約40m/毎秒以上となった場合、倒木の被害が増えると言われます。

また、降雨量が多くなると、土壌が緩み根っこから倒木するというケースもあります。

立地条件に合わない樹種選定

都市部に行くと、公園や道路における都市緑化樹木が多く見られます。

それらの樹木については、土地環境に応じた樹木を選定しています。

しかし、この選定を間違えてしまうと、それが台風時などの倒木の原因となることもあり得ます。

枝葉をあまり広げずに、コンパクトな樹冠を形成し、根を深く、かつ広く土壌に伸ばす樹種は、被害を受けにくいと考えられます。

一方、枝葉を大きく広げた樹冠を形成し、根が広がる水平根か、深くまで伸びる垂下根のどちらかに偏って発達する樹種は、先ほどの樹種と比べて被害を受けやすいとされます。

植樹基盤の整備不良

倒木の原因の3つ目は、植樹基盤の整備不良が挙げられます。

これは、植えられる樹木にとって、十分な空間となっていない場合や、硬く透水性の悪い土壌で、栄養が行き届かないまま造成されている場合は、
根の伸長が不十分となり、強風時に倒木する原因となります。

特に街路樹については、根の伸長が規制されることが多いため、被害を受けやすいと言われています。

倒木被害がもたらす責任について

もし、自宅の庭に植えている木が倒れたら、その倒木が隣家の塀を傷つけてしまったら、道路に駐車していた車に倒れてしまったら、どういう賠償責任が発生するのでしょう。

倒木被害がもたらす責任について、解説していきましょう。

賠償責任が発生しないケース

まず知っておくべきは、

「台風などの自然災害による倒木被害について、賠償責任は発生しない」

と、民法で定められていることです。

しかしながら、倒木被害によって、住宅やその他の所有物に何らかの損害があった場合は、人間の心情としては誰かに修理費用を請求したくなるものです。

この倒木被害については、実際起きてしまうと、責任の所在について、トラブルになることもあるので、注意が必要です。

実際にどのような場合に、賠償責任を負うことになるのかを説明していきます。

賠償責任が発生するケース

倒木被害で、賠償責任が発生するケースは、主に2つあるとされます。

1つ目は、一般的には賠償責任のないケースですが、

「自然災害による倒木被害であるものの、植栽や支持の管理を怠ったことが明確である場合」

に賠償責任が発生します。

2つ目は、

「竹木を占有者または所有者が、竹木の栽植や支持を怠ったなど、瑕疵のために生じた倒木被害であるケース」

に、賠償責任が発生します。

民法の用語なので、言葉が難しいですが、簡単に説明すると、自分が所有、管理している竹を含めた樹木の管理に、なんらかの過失や、欠陥がある場合には、賠償責任が発生するということです。

竹木という言葉があえて使われる理由は、「竹害」と呼ばれる、成長が早い竹による被害も、倒木同様多いためです。

また、このような賠償責任が発生する可能性がある場合は、個人間での解決は難しい場合がほとんどですので、弁護士などの専門家に依頼すると安心でしょう。

また、普段から管理を徹底しているという場合は、その証拠として、以下の物を保管しておくと、万が一の時に役立ちます。

・竹木の植樹を施工した業者の施工完了報告書
・定期メンテナンス時の作業完了報告書
・それらに関する写真など

弁護士をとして可決する際には、証拠である文章や写真が必要となるためです。

倒木被害を起こさないためにできること

自然災害であっても、所有者のメンテナンスが不十分である場合は、賠償責任が発生することもあるとお伝えしました。

そのような場合に備えるためにも、倒木被害を起こさないように、対策をしておくことがとても大切です。

定期メンテナンス

庭などに植栽している場合は、依頼した業者に、定期メンテナンスをしてもらうといいでしょう。

場合によっては、無料でしてくれることもありますし、自治体が行ってくれる場合もあるようです。

竹木の大きさや本数、重機が必要な場合もあり、その費用については様々かと思いますが、依頼する際には見積もりの内容と、金額をきちんと確認して行うことをお勧めします。

支柱での固定

台風などの強風時に、倒木の危険性があると判断した場合は、あらかじめ竹木を支柱で固定しておくという方法もあります。

これは、庭木の倒木被害だけでなく、家の近くに置いてある物置へも同様です。

ちょっとしたメンテナンスや対策をしておくことで、賠償責任から免れることも大いにあります。

賠償責任があると判断された場合は、被害を与えた物への修理代金や、買い替え費用なども請求されますので、注意しておきましょう。

最後に、隣家からの倒木被害を防ぐための備えもとても重要です。

自然災害はいつ発生するか、予測できないことともありますが、日ごろからの備えがいざというときに役に立つこともあります。

その備えとして、建物の保険に加入しておくこと、瑕疵があると思われる隣家の竹林などは写真に残しておくこと、役所へ相談して、履歴を残しておくこと、など、できるだけの備えはしておくといいでしょう。

まとめ

今後、自然災害は増える傾向にあります。

倒木だけでなく、いろいろな被害が想定されますが、自分を守るために、また他人へ被害を出さないために、あらかじめ備えやメンテナンスをしておくことがとても重要です。

普段の生活を送っていると、いざという時の備えは面倒だと思いますが、できるだけのことはやっておくことをお勧めします。

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当協会では2016年4月より「自然災害調査士」という資格を新設し、自然災害の被害を調査・鑑定するプロを育成しています。

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