「自らの命は自らが守る」
この意識を国民一人一人に醸成するためには、平時より自らが置かれた災害リスクを認識し、緊急時に取るべき行動について、理解してもらうことが重要です。
このことを、全国へ普及啓発するために、「避難の理解力向上キャンペーン」が実施されています。
防災意識を高めるための、国の政策となりますので、ぜひ詳しく知り、いざという時のために備えていきましょう。
避難の理解力向上キャンペーンについて
令和2年4月21日に、内閣府より各都道府県に、「避難の理解力向上キャンペーン」の実施についての通知が行われました。
政府は、令和元年台風第19号による、豪雨災害を踏まえて、中央防災会議防災対策実行会議において、報告書を取りまとめました。
報告書では、令和元年台風第19号の教訓を踏まえ、
「自らの命は自らが守る」
という意識を、1人1人に醸成させるべく、避難行動を促す防災の理解力を、向上させるための、普及啓発活動を行う必要性があると、示されています。
具体的な取り組みは後述しますが、この通知を受け、各都道府県はホームページなどを通して、キャンペーンの推進を行っています。
都道府県、市町村が作成している、ハザードマップは、だんだんと浸透してきていますが、
「避難行動フロー」
については、まだまだ浸透していないようですので、こちらでも紹介していきます。
キャンペーンの取組
通知を受けたキャンペーンは、「自らの命は自らが守る」という意識を国民一人一人に醸成するため、「避難の理解力向上キャンペーン」をあらゆる主体が参画し、日本全国で展開することとしています。
ただ現在、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、「3つの密」(密閉空間、密集場所、密接場面)に留意することも、同時に示しています。
災害時の情報伝達の改善取組
具体的な取り組みとしては、
・ハザードマップの各戸に配布、回覧
・「避難行動判定フロー」「避難情報のポイント」の配布、回覧
・「避難行動判定フロー」を活用し、避難訓練や出前講座などを実施すること
を推奨しています。
また、子供の頃から地域の災害リスクを知ることや、命を守る行動を実践的に学ぶことが、重要であるとされることから、小・中学校においても、避難訓練と合わせて防災教育を実施することとしています。
さらに、台風第19号において、多くの在宅の高齢者や障がい者の方々が、被災された事実を受けて、福祉関係者などとの連携も進めています。
避難行動判定フローの解説
「避難行動判定フロー」とは、ハザードマップと合わせて確認することにより、居住する地域の災害リスクや、住居の条件等を考慮したうえで、取るべき避難行動や適切な避難先を判断できるようにしたフローです。
ハザードマップは、浸水や土砂災害が発生する恐れが、高い区域を着色している地図です。
避難行動判定フローで一番重要なのは、どのような時に、どこに、避難が必要かを知ることです。
原則として、
・ハザードマップの自宅に色が塗られているとき
・警戒レベル3や4が出ているとき
の時には、市町村が指定する「指定緊急避難場所」など、安全な親戚・知人宅などへ避難します。
例外として、以下の時にはわざわざ避難場所へ移動する必要はありません。
・洪水により家屋が倒壊、又は崩落してしまう恐れの高い区域の外側
・浸水する深さよりも高いところにいる
・浸水しても水が引くまで我慢できるか、水・食料などの備えが十分にある
「指定緊急避難場所」は、災害の種類ごとに安全な場所が指定されています。
また、災害が落ちついた後に、自宅が被災し、帰宅できない場合には、しばらく避難生活を送るために、「指定避難所」に行きましょう。
まとめ
この、「避難の理解力向上キャンペーン」に加え、避難所における、型コロナウイルス感染症対策に、万全を期す必要があることから、
「避難所における新型コロナウイルス感染症への対応について」を通知しました。
様々な事態に備えて、平時から、ハザードマップや避難行動判定フローなどを確認しておくことが大切です。
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