近年、日本では大きな災害が毎年のように起きるようになってきました。
自分の住む地域がいつ被害にあってもおかしくないという危機感を持ち、避難所での生活も視野に入れておく必要があります。
しかし、実際に避難所で生活した経験がなく、どんな問題が起きるのか想像がつかないという人も多いでしょう。
この記事では、これまでの避難所で起きた食事に関する問題についてまとめています。ぜひ読んで、災害に備えましょう。
健康面に関する問題
健康面に関する問題として、以下の3点を紹介します。
栄養バランスの悪い食事
避難所に届く支援物資は、パン、おにぎり、カップラーメン、レトルト食品が主体です。
どうしても炭水化物に偏り、タンパク質・ビタミン・ミネラル・食物繊維が足りない食事になってしまいます。
この大切な4つの栄養素を欠かすと、以下のような影響があります。
・タンパク質不足…代謝が悪くなる、疲れやすくなる、免疫力が低下する
・ビタミン・ミネラル不足…身体の機能を調節できなくなる
・食物繊維不足…腸内環境が悪化する
これらの栄養素が慢性的に不足すると、病気になってしまいます。
必要な栄養素が補えるような非常食やサプリメントを意識して準備しましょう。
ストレスによる食欲不振
慣れない避難所生活では、心身に大きなストレスがかかります。
食欲がなくて食べられず、栄養不足になることもあります。また、非常食にありがちなカップラーメンは、味が濃くて食べられないということもありえます。
ゼリーやドリンク、少量で高カロリーが摂取できるお菓子などを準備しておくと安心です。
水分摂取不足
避難所生活では、以下のような理由から水分摂取量が不足しがちになります。
・飲料水の配給が限られること
・水分量の少ない非常食を食べること
・トイレが不衛生なため、できるだけ行きたくないと考えること
水分摂取不足は、脱水症、エコノミークラス症候群、低体温症、熱中症、慢性疾患の悪化などを引き起こします。
これらの予防のためにも、水分は意識してこまめに取るようにしましょう。
環境・衛生面に関する問題
環境・衛生面に関する問題としては、以下の2点を紹介します。
ライフライン停止による調理不能
ライフラインが停止してしまうと、食べるものが限定されてしまい、結果的に栄養が偏ってしまいます。
ガスが止まると、加熱調理ができなくなってしまいます。調理された温かい食べ物は心も体も満たしますが、それができなくなると、食事内容の悪化につながります。
このような状況にそなえ、カセットコンロは必ず用意しておきましょう。
食中毒の発生
避難所での生活では、食中毒を引き起こす要因がたくさんあります。例を挙げると、
・栄養バランスの悪い食事が続いて免疫力が低下し、ウイルスや細菌などへの抵抗力が奪われること
・トイレを中心に被災地全体で不衛生になりがちで、手洗いなどの衛生環境を保つことができないこと
・洗浄・殺菌のために使用する資材が不足すること
・普段、大量調理を行わない人が炊き出しを行うこと
・停電により冷蔵庫が使えず、食材が腐ってしまうこと
避難所生活では以上のようなことが起こりやすく、食中毒の発生につながります。
個人でできる対策として、持ち運び用のアルコールスプレーやジェルなどを用意しておきましょう。
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