近頃、日本では毎年のようにどこかで自然災害が起こっています。想定外の事態に備え、非常食をたくわえておくことは大切です。
しかし、特に災害がなく、非常食を使う機会がなかった場合、気がついたら賞味期限が切れてしまっていた、ということも多いのではないでしょうか。
今回は、非常食の賞味期限が切れていたら食べられないのか?ということや、賞味期限を切らさないための対策について紹介します。
賞味期限切れの非常食は食べられる?
結論から言うと、食品の状態やにおい、味などがおかしくなければ食べても大丈夫です。
「賞味期限」とは、指定された方法で保存していた場合、「品質が変わらずにおいしく食べられる期限」のことを指します。
つまり、表示されている日を1日でも過ぎたら食べられなくなるわけではない、ということです。
ここで注意したいのが「賞味期限」と「消費期限」の違いです。「賞味期限」は「品質が変わらずにおいしく食べられる期限」ですが、「消費期限」は、記載された日まで「安全に食べられる期限」のことです。
消費期限は過ぎると急激に品質が落ちるため、必ず守るべき期限です。
私自身、消費期限が2日過ぎたケーキを食べてお腹を壊したことがあり、消費期限の大切さを身をもって知りました。
しかし、賞味期限が1年くらい過ぎている調味料は普段から問題なく使っています。
非常食は長期保管可能なものですので、「賞味期限」が表記されています。
したがって、もったいないと考えるなら、においを確かめたり、味見したりしてから食べるとよいでしょう。
ただし賞味期限を大幅に過ぎている場合は、処分するのが無難です。
賞味期限を切らさないための対策は?
ローリングストック法の実行
非常食や保存食の賞味期限切れを防ぐ対策として「ローリングストック法」と呼ばれる仕組みがあります。
簡単に説明すると、「非常食や保存食を定期的に食べ、食べた分を買い足して備蓄していく方法」です。
ローリングが「回転させる」、ストックが「備蓄する」といった意味合いで、「蓄える」「食べる」「買う」という動作を循環させていきます。
賞味期限が近いものから食べていき、新しいものを追加していくので、賞味期限切れを起こしにくくなります。
また、非常食を普段から食べることで、味に慣れておくこともできます。
色々な種類を試して好みのものを見つけておけば、非常時の心の支えにもなります。
ローリングストック法を実行しやすくするために、非常食のパッケージに賞味期限を書いたシールを貼り、目につきやすいように工夫するとよいでしょう。
商品の賞味期限の表示のほとんどは、小さくてわかりにくい場所に記載されているので、ひと目でわかるようにしておくことがポイントになります。
さらに、賞味期限が近いものをひとかたまりにして、透明なケースに入れておけば、中身が把握しやすくておすすめです。
また、実行するタイミングを忘れないことも大切です。
東日本大震災の日(3月11日)や、防災の日(9月1日)など、災害について考えるタイミングで実行するとよいでしょう。
また、企業であれば、避難訓練の際に見直し、社員同士で食べてみるのもよいでしょう。
フードバンク活動団体への寄付
企業で大量に備蓄している非常食を、100%消費するのは難しいかもしれません。
そこでおすすめなのが、非常食を寄付して社会貢献する方法です。
フードバンク活動を行なっている団体では、食品の寄付を随時受け付け、福祉施設などに無料で提供する活動を行なっています。
期限が迫った非常食をこのような団体へ寄付すれば、廃棄・消費にかかるコストを抑えつつ、食品ロスを防ぐことができます。
まとめ
賞味期限の切れた非常食は、すぐに食べられなくなるわけではありません。
しかし、賞味期限をあまりにも過ぎているものは、安心して食べられないため、普段から切らさないための対策が必要です。
そのために、ローリングストック法の実行や、フードバンク活動団体への寄付などを活用しましょう。
万が一の災害に備えて、日頃からしっかりとチェックしておきたいですね。
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