被災者のセーフティネット、災害公営住宅。役割と課題を解説します

防災

地震、津波、土砂災害など、大きな災害が発生すると、住居が倒壊して、住めなくなってしまうことがあります。

そのような時、一体どうすればいいのか不安なると思います。

近くに親族が住んでいれば、何とかなるかもしれませんが、そうでない場合は、政府が提供する住居に住むことができる場合もあります。

応急仮設住宅や、災害公営住宅などがこれにあたりますが、どのような場合に住めるのか、条件や家賃など紹介していきます。

災害公営住宅とは

災害公営住宅は、災害により住居を失い、自分たちで住宅を確保することが困難な場合に、安定した生活を確保してもらうために、地方公共団体が国の助成を受けて、提供している安価な家賃の公営住宅です。

普段の生活でも所得が低い人に対しては、公営住宅の利用を行うことがありますが、災害公営住宅は、それに災害復興の要素を入れたものです。

災害公営住宅に入居するまで

とはいっても、災害後すぐに被災者が入居するわけでありません。

まず災害が発生すると、被災者は避難所に避難します。

しかし、避難所も長居することが困難なため、しばらくすると仮設住宅に移ります。

この仮説住宅は、プレハブや木造で作られている、一時的なものになっています。

中には、仮設住宅でしばらく暮らした後に、自分の家を新たに買ったり、自分で新しく借りたりする人もいます。

しかしながら、自力で準備できない人もかなりの人数発生し、その場合に、災害公営住宅が利用されていきます。

家賃の目安と間取り

災害公営住宅に入居するためには、いくつかの条件があります。

1つは、災害により住宅を失った方で、住宅に困窮していること。単身でも入居可能です。

災害発生後3年間は、収入の要件はありませんが、3年間経過後は、通常の公営住宅と同じ扱いになり、その時点で収入に高い世帯は、退去していただくことが必要になる場合もあります。

仮設住宅と異なり、入居後は家賃が発生しますが、この金額については、入居者の収入や住宅に広さなどによって異なり、市町村が決定することになっています。

また、住宅の間取りについては、建設地域の状況などを考慮して、市町村が決定していきます。

災害公営住宅の役割

災害発生後、社会の再建過程において、最も重要な課題の1つに、すまいの再建ということが挙げられます。

この災害公営住宅の役割とは、災害した方々が、安心して暮らせる住まいを獲得できるという、国を挙げての復興支援となります。

もう1つの役割は、入居者、特に高齢者の方々が被災生活を送るにあたって、孤独を感じることなく生活できる場を提供するということです。

災害公営住宅に入居後、ほとんどの方はお互いに交流もないまま生活をしていくことになります。

しかし、後で詳しく説明しますが、高齢者や単身の方の場合は、ただでさえつらい被災生活に加え、孤独でいることの辛さにも耐えなければいけません。

この災害公営住宅においては、コミュニティの形成を促し、そのような状態を、少しでも緩和するという役割もあります。

災害公営住宅の課題

阪神・淡路大震災の時に、理由は様々ですが、1,000人以上の人が孤立死しているというデータがあります。

実際に災害公営住宅では、先の不安を感じながらも、見知らぬ人同士の生活になり、ましてや、不慣れな住環境へ対応していく必要がある中、身体的精神的に大きなストレスを持つ人が多くいることがこれまでの調査で分かっています。

その結果、先ほどの孤立化が進行する原因にもなっています。

このような課題に対して、災害公営住宅内に集会所を設けたり、各地から支援に駆け付けたボランティアによる声掛けなどが行われています。

また、災害公営住宅は家賃が安いというメリットがある中、自分の希望通りの家の間取りや、場所を選ぶこともできないため、将来的に入居者がいなくなった際に、どう処理するかといった、新しい課題もあるようです。

まとめ

日本では、これまで大きな災害を経験し、多くの課題を乗り越えて復興の道を歩んできました。

この復興の道はまだ終わっておらず、今でも多くの方が仮設住宅、災害公営住宅で生活をしています。

先ほど述べた課題に対しても、協力して取り組んでいかねばなりません。

災害の現状から目を背けることなく、復興の光を見失わないように、これからも助け合っていかねばなりません。

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