ちょっとした工夫で簡単にできる、食品の家庭備蓄のポイント

防災

私たち人間は、食べ物を食べないと死んでしまいます。

また、毎日同じ食べ物を食べていては、気持ちが下がっていきます。

災害という、ただでさえ不安や恐れ、大きなストレスを抱えているときに、食べ物までも、満たされないものであれば、更に落ち込んでしまうことでしょう。

温かく、栄養バランスのとれた食事、被災時でも、毎日変化にとんだおいしい食事があれば、前向きな思考と、元気に活動するエネルギーが湧いてきます。

ぜひ、食品の家庭備蓄を、身近なものとして捉える考え方、そしてその方法を学んでいきましょう。

家庭備蓄の必要性

過去の大きな災害の経験から、食品を家庭に備蓄する考えや、その必要性が大きくなってきています。

大きな災害が起きた際、ライフラインの復旧まで、1週間以上を要するケースが多く、災害支援物資が3日常到着しないなど、食品が手に入らないことが想定されるからです。

このため、最低3日分から一週間分の食品を、家庭で備蓄することが望ましいとされています。

最近では、家で料理をする、しないなど、食生活も多様化しています。

また、アレルギーや食べ物に気を付けなければいけない、要配慮者のための備蓄品の選び方など、気を付けなければいけないことも多く存在するようです。

ローリングストックについて

ローリングストックとは、普段の食品を少し多めに買い置きし、賞味期限を考えて、古いものから消費し、消費した分を買い足していくことで、常に一定量の食品が家庭で備蓄されている状態を保つという方法です。

毎日の生活の中で、ちょっとした工夫をするだけで、家庭備蓄ができるということで、とてもおすすめの方法です。

被災時の食品といえば、どうしても非常食を食べることで、炭水化物ばかりになりがちで、野菜不足から、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養バランスが悪く、体調不良を起こしやすくなります。

そういうことを防ぎ、日ごろの買いものから、少しばかり多く購入し、それを備蓄することで、無理なく家庭備蓄ができます。

もし災害が起きたときも、食べることの楽しさを失うことなく、被災生活を送ることもできます。

要配慮者の食品備蓄について

災害時の食品について、特別な配慮が必要となるのが、乳幼児、妊産婦、高齢者、食べる機能が弱くなった方、慢性疾患やアレルギーの方です。

避難所で配れる食事は、要配慮者用には作られていないので、災害時の食事こそ、前もって準備をしておかないといけません。

とはいっても、特別に難しいことをするわけではありません。

できるだけ普段の状況に近い食事ができるように、準備をしておくことで、安心感も違いますし、自分や家族への影響を最小限にすることができます。

乳幼児の備え

乳幼児のための備えとしては、まずお母さんが元気でいることです。

母乳も災害時に一時的に出ないこともあるので、粉ミルクを活用することもありますが、赤ちゃんは、お母さんのお乳を吸っているだけでも安心します。

また、吸わせ続けることで、母乳も出るようになります。

お母さんは頑張りすぎないように、周りの人たちに手伝ってもらいながら、生活することが大切です。

高齢者の備え

高齢者がいる家庭での備えは、一般の家庭の備えと、それほど大きな違いはありません。

ただ、普段よく食べる食品や、慣れ親しんだ味のものを用意しておけば、もし食欲がなくなっても、食べることができるでしょう。

食べる機能が弱い方の備え

最近では、「スマイルケア食」といって、噛むことや飲みこむことなどの、食べる機能が弱くなった人や、栄養状態が良くない人を対象とした、新しい介護食品が出ています。

おいしさや、食べやすさ、食べる楽しみ、見た目の美しさにもこだわった商品が多く出ているので、ぜひとも食品備蓄として積極的に活用してほしい食品です。

慢性疾患の方の備え

慢性疾患の方には、ライフラインや物流がストップした場合でも、食事療法を普段と同じように、継続するための備えを工夫しなければなりません。

1日3回の食事、よく噛む、栄養バランスを考える、食塩やアルコールを控えるなど、ストレスを溜めないような工夫が大切です。

慢性疾患も、血圧や血糖値など、それぞれに気を付けなければいけないことがあり、注意が必要です。

食物アレルギーの方の備え

アレルギー対応などの、特殊食品は、災害時に手に入らなくなります。

その場合、普段使っているアレルギー対応の食品を多めに買い置きし、古いものから消費して、消費したら買い足す、ローリングストック法を活用して、備蓄することをお勧めします。

まとめ

食品の家庭備蓄は、「誰一人取り残さない」というSDGsの観点からも、国民生活の持続性を確保することに繋がる取り組みです。

ここで紹介したいろいろなアイデアを、できるだけ広く共有して、できることから実践していきましょう。

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