今年も日本各地で大雨などによる被害が出ています。自分の住む地域も、いつ災害に見舞われるかわかりませんね。
これからは避難所での生活も視野に入れた準備や対策が必要ですが、避難時は栄養不足になる傾向があります。
この記事では、その理由や不足する栄養素を補える非常食について紹介します。ぜひ読んで、非常時の対策に役立ててください。
避難時に栄養不足になる理由
避難時に栄養不足になる大きな理由は、支援物資の内容が偏るためです。避難所で提供される食事は、パン、おにぎり、カップラーメンなどの炭水化物がほとんどです。
これでは、タンパク質・ビタミン・ミネラル・食物繊維が足りない食事になってしまいます。これらの栄養素が慢性的に不足すると、病気になります。
また、慣れない避難所生活では、心身に大きなストレスがかかります。食欲がなくて食べられずに、栄養不足になることもあります。
不足しがちな栄養素とそれを補う非常食について
避難所で不足しがちなタンパク質・ビタミン・ミネラル・食物繊維について、それぞれの役割や、不足分を上手に補える非常食を紹介します。
タンパク質
タンパク質は体の多くの部分をつくるため、不足すると全身に影響が出てしまいます。
例として、貧血、むくみ、代謝が悪くなる、疲れやすくなる、免疫力が低下するなどの症状があらわれます。
とくに避難所においては、免疫力の低下は様々な感染リスクが高まるため注意が必要です。
タンパク質を原料とする免疫細胞がつくられなくなり、粘膜や皮膚の働きが弱まります。
そこから、ウイルス、細菌・花粉などの異物が侵入しやすくなります。
また、精神を安定させるセロトニンも、タンパク質を原料に脳内でつくられます。
避難所での生活は、ただでさえストレスがかかりますので、セロトニンが不足すると、ますます心が不安定な状態になってしまいます。
タンパク質を補うための非常食として、魚や肉の缶詰やかつおぶしが手軽で有効です。
缶詰は種類が豊富で飽きずに、缶を開ければそのまま食べられます。かつおぶしは食欲のない時も食べやすく、軽いので持ち運びにも便利です。
ビタミン・ミネラル類
ビタミン・ミネラル類は、様々な身体の機能を調節しているため、不足すると全身に不調が現れます。
ビタミン不足の状態では、体は負担を負いながら正常な機能を保とうとします。
その結果、臓器には異常がないのに倦怠感や疲労感、目まい、頭痛、動悸、息切れ、発汗異常、便秘、下痢などの症状が現れます。
また、ミネラルのうちでもっとも重要といわれる鉄は、ブドウ糖からエネルギーを作る際に重要な役割を果たしています。
そのため、鉄が不足するとエネルギーを少量しか作ることができず、元気が出なくなってしまいます。
ビタミン・ミネラル類は野菜や果物に多く含まれています。
避難時に新鮮な野菜や果物を調達するのは難しいので、フリーズドライの味噌汁やスープ、野菜ジュースがおすすめです。
食物繊維
食物繊維には水溶性と不溶性のものがあり、どちらも腸内の環境を整えるための重要な役割をもっています。
水溶性のものは、大腸内で発酵・分解されると、ビフィズス菌などが増えて腸内環境をよくするはたらきがあります。
不溶性のものは、胃や腸で水分を吸収して大きくふくらみ、便の量を増やします。
それによってて、腸が刺激され動きが活発になり、腸内に発生した有害物質を含む便を外へ排出します。
したがって、食物繊維が不足すると、腸の調子が悪くなり、体全体に影響を及ぼします。
食物繊維を手軽に補える非常食は、干し芋・ドライフルーツなどがあります。
ドライフルーツは種類も豊富で、おやつ代わりにもなりますので、お気に入りのものを探しておくとよいでしょう。
また、ストレスによる食欲不振には、ゼリーやドリンクなど食べやすい形状の非常食を準備するとよいでしょう。もっと手軽に準備したい人は、サプリメントを活用するのもおすすめです。
まとめ
避難時は、支援物資の内容の偏りや、ストレスによる食欲不振などによって栄養不足になりがちです。
そのため、事前に不足しがちな栄養素を把握し、それを補うための非常食を準備しておくことが大切です。
また、ゼリー状の食品やサプリメントは、ストレスで食欲のない時に役立ちます。
この記事を参考に、非常時の栄養についての対策をしっかりと行ってくださいね。
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