皆さんは、自動販売機が災害時に無料で飲料を提供できることをご存知でしたか?
その使い方は、いくつかタイプがあるものの、飲料提供会社各社が、自治体と連携して、その災害対応自販機の設置を普及しています。
ライフラインが途絶えた時に、最大の効果を発揮するのがこの災害対応自販機ですが、その使い方や、種類など基本的な知識を付けておくことが必要です。
各社特徴がありますので、ぜひしっかりチェックして防災知識を深めていきましょう。
災害対応自販機とは
災害対応自動販売機とは、その名のとおり災害時に支援を受けることができる自販機で、災害時に無料で飲料を提供してくれます。
「緊急時飲料提供ベンダー」と呼ばれたりもします。
この災害対応自販機は、電気の供給が停止した時でも飲料の提供が可能ということで、官公庁、学校、病院などの公共性の高い場所を中心に設置を案内しているようです。
万が一災害時にそのような自販機を見かけたときに、使い方を知らないと、せっかく設置していても意味がありませんので、その使い方、提供会社各社の特徴などをご紹介していきます。
災害時の水分の補給は、とても大切になりますので、しっかりとチェックしていきましょう。
災害時の使い方
この、災害時対応自販機は、その使い方が3つあります。
その使い方を、それぞれ紹介していきましょう。
ワイヤー式
ワイヤー式は、緊急時、無電状態でも開扉できます。
緊急時に専用の「非常開錠キー」で自販機の扉をあけ、自販機庫内の搬出ワイヤーを引くことで飲料を取り出せます。
ただ、この非常開錠キーは、管理者が持っており、災害時はその管理者が扉を開ける必要があるとのことです。
また、バッテリーを搭載していない為、設置期間中、バッテリー交換が必要です。
バッテリー式
バッテリー式の場合も、停電状態でも利用できます。
そしてこのタイプは、「緊急ボタン」を押すことで、無料飲料提供に切り替わります。
ワイヤー式と違い、鍵を持っていなくても、ボタンを押すだけでバッテリー可動に切り替わるのですが、イタズラや、大量にもって行く人を防止する必要があるようです。
ですので、設置場所を人目につくように、公共の施設内などに置くことが多いようです。
ハンドル充電式
ハンドル充電式は、先ほどの、バッテリー式の、デメリットを解消しているタイプで、非常充電用ハンドルが内蔵されており、回すと、自販機が充電されます。
これですと、専用キーをもたなくても、さらに、バッテリーを内蔵しなくても、使用することができます。
会社ごとの特徴
自販機を設置している会社は、それぞれ特徴のある災害対応自販機を設置しています。
各社、特徴がありますので、それぞれ紹介をしていきましょう。
コカ・コーラ社
コカ・コーラ社では、社会貢献として、災害時における飲料提供協力などに関する自治体との協定をもとに、災害支援型自動販売機の設置を積極的に進めているようです。
少し古いデータになりますが、2011年12月末時点で、全国に6,000台が設置されています。
この、自販機は、地震などの災害発生時に、通信ネットワーク技術を活用した遠隔操作によって、自販機に搭載された電光掲示板に災害情報を流すことができます。
また、本体に残っている飲料を無償で提供したりと、緊急時に自販機ならではの機能を活用した支援を行うことで、地域社会に貢献することができるようになっています。
この無償提供は、どのタイミンクで誰が判断するのか、といったことが重要ですが、設置主と地域のボトラー社との間で結ばれた「災害支援協定」に基づいて設置されています。
実際の設置場所としては、主に緊急時の避難場所に指定されている地域の学校体育館や公共施設、病院などが中心となっています。
サントリー社
サントリー社は、停電状態でも可動するワイヤー式と、バッテリー式の2タイプの自販機を設置しています。
ワイヤー式の鍵の管理がとても重要になってきますが、鍵の管理は、自販機を設置している施設で行い、緊急時には設置先の施設の判断で無償で飲料を提供できるようです。
ただ、このようになってくると、自販機を設置している施設内での緊急時の役割分担がとても需要で、サントリー側としては、設置している施設への緊急時の操作方法を含め、きちんと役に立てるような運用をしていく必要がありそうです。
ダイドードリンコ社
ダイドードリンコ社は、ワイヤー式、バッテリー式、そしてハンドル充電式も設置しているようです。
ダイドードリンコ社は、この災害対応自販機を、「災害救援自動機」と名づけています。
普段は、通常の自販機として使用し、災害等で停電になった際、災害救援自販機に切り替えを行います。
緊急災害時に円滑に救援飲料の提供を行うために、ダイドードリンコ社が指定している物流拠点及び、災害救援自販機の在庫商品を提供する「災害時における飲料の提供協力に関する協定」を全国の自治体と締結し、社会貢献の取り組みとしています。
キリンビバレッジ社
キリンビバレッジ社では、バッテリー式で、無料への切り替えは手動操作で行っているようです。
具体的に、無料提供に切り替える際の条件として
「設置先の所在地域が、震度5弱以上の地震に見舞われたとき」「設置先の所在市区町村に、災害対策本部が設置されたとき」などを、「災害時における飲料の提供協力に関する協定」として、自治体と結んで定めているようです。
キリンビバレッジ社では、この災害対応自販機のことをレスキューベンダーといい、専用キーで管理者が無料に切り替えが可能です。
バッテリー内蔵型ですので、非常用電源に切り替わり、無料販売となります。
フリーベント状態になったら、選択ボタンを押すと、好きな商品が出るという仕組みになっています。
伊藤園社
伊藤園社の災害対応自販機は、手回し式発電を採用しており、これまでの会社のものと少し違う仕様となっています。
発電した電気を非常用電源に使い、無料で飲料を提供するだけでなく、手回しで発電した電気で、スマホの充電もできるようになっているようです。
自販機の正面についている非常用充電ハンドルを管理者によって開けてもらいます。そこからレバーを設置し、70回以上回すと発電されます。
そこから緑のランプがつけば、非常用電源に切り替わって使うことができるようです。
まとめ
正直、自販機が災害時に使えるということを知らなかった方もいるのではないでしょうか。
冒頭にもご紹介したように、停電だから使用できないということは、あまりないかもしれませんが、いざという時に、どのタイプの自販機であっても、対応ができるように、知識として知っておく必要があります。
ぜひこの機会に、見かけた自販機がどのタイプかどうかもチェックすることをお勧めします。
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