気候リスクの管理・評価・対応をビジネスに活かすことが可能です

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 日々の気候は、ビジネスでの利益を生んだり、時には人的・物的な被害を与えたり、経済・産業に様々な影響をもたらすほど、私たちの生活と密接な関係です。例えば、夏が猛暑だった場合、米や野菜などに生育に悪影響を与え農作物の値段が高騰したり、熱中症になる危険性が増加する可能性があります。一方では、飲料や氷菓などの販売数が増加し、売上アップする可能性もあります。

 気候により、このような影響を受ける可能性のことを「気候リスク」といいます。 気候リスクに関しては、気象庁のホームページで詳しく紹介されています。気候リスクは「異常気象などの影響を与える気候が起こる可能性」と「その影響の大きさ」の掛け算と考えるとイメージしやすいと思います。リスクという言葉から連想される悪い影響だけではなく、先ほどの例のように好影響も含まれます。

 この「気候リスク」をしっかりと理解すれば、業種にもよりますがご自身のビジネスに活かすことが可能ですので、下記の記事を読んでみてください。

気候リスクの管理

 気候情報などを用いて気候リスクを把握し対応することを「気候リスク管理」と呼ばれています。気候リスクの軽減のためには下図のプロセスが有効です。

 リスクは様々ですが、どのジャンルでもこのプロセスは有効です。まずはこちら3項目について考え、身の回りの気候リスクを認識することで、気候リスクを軽減できる可能性あります。

①どのようなことで気候の影響を受けているのか。
②その影響に対して何らかの対策はあるのか。
③対策のためにはどの程度の時間が必要か。

 気候リスクを受ける当事者であるあなたが、ご自身の事業などのリスクを認識することが大切です。次回は、気候リスクの評価について紹介します。漠然と認識した気候リスクをよりはっきりと把握しましょう。

気候リスク管理(気象庁ホームページ)

気候リスクの評価

 認識したリスクについて見積もることで、その気候リスクがどのようなものかを把握できます。これにより、気候リスク軽減に向けた対応に繋げることができます。

 まずは、どのような気候の時に、どのような影響があるかを見積もりましょう。気候リスクの影響は、当事者によって様々です。そのため当事者がお持ちの業務で用いるデータと気象データを使って、どういう気候の時にどのような影響があるかを把握することが重要です。 例えば、農業の場合は以下のような気候の影響が調査されています。

 このように影響を与える気候の基準を把握することで、現在の気温が当事者にとって、売上などに影響を与えることが予想されている場合、前もって何らかの対策を行うという判断が可能です。

↓見積もり方法の詳細はこちら
実践!どのような気候のときにどのような影響があるかを見積もる(気象庁)

 どのような気候の時に、影響が出るのかが具体的に判断できたら、 続いてその気候が発生する可能性を見積もります。 可能性を見積もる場合にも過去の気象データを用いるのが有効です。

↓見積もり方法の詳細はこちら
実践!“影響を与える気候”が起こる可能性を見積もる(気象庁)

 過去の気象データから見積もった「”影響を与える気候”が起こる可能性」は、 必ず起こるとは限りませんが、 対象とする現象がこれまでどのくらいの頻度で起こっているのか、最近どのような傾向なのかを把握することは重要です。

気候リスクへの対応

 今までで把握したリスクと見積もりを、将来の気候の見通しをたてて気候リスクの軽減を目指しましょう。どのような気候が起きたときに業務などが影響を受けやすいのか。その気候リスクの評価さられた結果を用いて、気候の影響を軽減(または利用)する方法を考えます。

 もし将来起こる可能性の気候を見通せたならば、適切な対策を適切な時期に行うことで気候の影響を軽減することができます。見通しを立てるために用いる情報として以下の2点を紹介します。

①統計値(過去の観測データ)
まずは統計値を用いて見通しを立てる方法です。 過去30年、10年など一定の期間の平均値や変動の幅などを考慮して見通しを立てます。

くわしい解説はこちらから(気象庁)
過去の気象データ・ダウンロード(気象庁)

②予測値(数値予報モデルの計算結果)
気象庁のホームページでは、当日から6か月先までさまざまな気象の予測情報を閲覧可能です。予測値が対象とする期間が先に延びるため、不確実性など予測値の性質を理解して利用することが必要になります。

くわしい解説はこちらから(気象庁)
気候リスクへの対応に利用できる各種予測資料の紹介(気象庁)
2週間目の気温予測(毎週月・木曜更新)(気象庁)
向こう1か月の気温予測(毎週木曜更新)(気象庁)
季節予報(気象庁)

 私たちの生活と気候が密接な関係にあり、その影響を受けやすいということがお分かりいただけたと思います。また、事業を行っている方は「気候リスク」を管理をすることにより、業績アップに活かしてはいかがでしょうか?

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昨今、頻繁に起こる自然災害による被害にまつわる問題を、専門的知識を持って適切な調査をする業務に従事する者(民間で活躍する自然災害家屋コンサルタント)としての位置づけを目的としております。 不動産会社、建築会社や工務店に勤務している方が多く取得しており、ご自身の業務に調査士の知識を役立てています。
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