地震や水害で、家が倒壊したり、流されたりと経済的なダメージを負ってしまった場合、それを個人で乗り越えることは、とても難しいことです。
そのような時、公的な援助ができる、「被災者生活再建支援法」というものがあります。
ここでは、その支援制度を活用するために、証明となる「罹災証明書」その証明をするための調査である「被害認定調査」について、詳しく解説していきます。
防災のための知識として、ぜひ知っていただきたい内容です。
災害時の被害認定調査について
災害が発生すると、自分が住んでいる家が倒壊するなど、被災者は、大きな経済的な損失を負ってしまいます。
そのような、経済的な損失を負った人に、いくつかの基準を満たすことで、公的な支援を受けることができます。
それを証明するのが、「罹災証明書」です。
そして、その罹災証明書を発行するために、「住家被害認定調査」というものがあります。
その「罹災証明書」「被害認定調査」について、解説していきます。
罹災証明書
罹災証明書とは、簡単に言うと、
「誰が」「どこで」「どの程度」
被災したのかを証明するための書類です。
その判定結果により、「被害の程度」を、
「全壊」
「大規模半壊」
「半壊」
「一部破損」
に分類していきます。
この判定をするのは、研修を受けた、市町村の職員などの調査員が、原則として2人以上のグループで、被災した住家に伺い、住家の傾斜、屋根、壁などの破損状況を調査していきます。
調査方法については、国で標準的な調査方法を定めています。
罹災証明書に記載されている「被害の程度」は、これから、被災者が生活を再建していく段階で、家を建て替える支援や、税金を減免してもらう支援をどの程度受けられるかを左右するものになる極めて重要なものになります。
ですので、もし罹災証明書の内容に、不服がある場合には、もう一度住家被害認定調査を依頼したり、弁護士に相談したりできます。
被害認定調査
地震による住家被害に係る調査の流れは、第1次調査、第2次調査を経て、判定される流れになっています。
地震被害の現況調査は、第1次調査と第2次調査があります。
第1次調査では、調査員が被害のある住居へ行き、外観を確認する調査を行います。
その後、住居の傾き具合を測量し、屋根や壁、柱などの住居の構成要素の状態を確認していきます。
第2次調査では、申請者が立ち会った状態で、外見調査を行いますが、住居の中に入って状態を確認する調査も行います。
水害による調査
水害による調査については、地震による住家被害に係る調査の流れとほぼ同じになります。
第1次調査にて、外観から見た調査、傾き、屋根や壁、柱の確認を行い、それに加えて、どこまで浸水したかの判定も行っていきます。
そして第2調査では、内部に立ち入り、状況の確認調査を行います。
風害による調査
風害の場合も、地震、水害の場合と同様ですが、風害の場合は、これらに加えて、住居の外装による判定が行われます。
外装部分に大きな損傷がなく、住居の中へ浸水する被害が発生する恐れがない場合は、半壊の被害の程度に至らないとされているようです。
再調査について
「地震」「風害」「水害」と被災した原因ごとに、調査の流れを解説しました。
第1次第2次調査の結果で被害の程度が判定されますが、その判定に納得がいかない場合、「再調査」の依頼ができます。
この判定で生活再建のための援助の内容が決まりますので、注意が必要です。
被害の程度
それくいの被害状況か、調査を行い「被害の程度」を決定します。
その程度がどのようなものかを詳しく紹介します。
全壊の場合
住居全体が損壊、焼失、流出した場合で、住居を補修しても二度と住めない場合
住居が損壊、焼失、流出などによって損害を受けた部分が50%以上の場合
大規模半壊の場合
住居の一部が損壊、焼失、流出したが、修理をすれば元どおりに住むことができる場合
損壊、焼失、流出などした割合が半壊より高く、修理費用が高くなるものまたは、住居が損壊、焼失、流出などで損害を受けた部分が40%以上50%未満の場合
半壊の場合
住居の一部が損壊、焼失、流出などしたが、修理をしたが元どおりに住むことができる場合
住居が損壊、焼失、流出などによって損害を受けた部分が20%以上40%未満の場合
一部損壊の場合
住居の一部が損害を受けたが、損害内容が軽微で、半壊に至らない程度で、補修すべき場合
住居が損壊、焼失、流出などによって損害を受けた部分が、20%未満の場合
まとめ
罹災証明書とそれを発行する基準となる被害認定調査について解説してきました。
罹災証明書は、被災者の支援内容を決めるとても重要なものになるので、その判断基準である被害認定調査も同様にとても重要度が高いものです。
最後に、判定によって受けることができる支援内容については、それぞれ市町村によって異なりますので、その点は注意が必要と言えます。
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