災害対策本部の主な5つ役割とは?今後の課題も踏まえ紹介します

自然災害

大きな災害が起きると、テレビなどで災害対策本部の設置を耳にします。

この災害対策本部の役割はいったい何なのか、どういう役割を担っているのか、それに従って行動する私たちは、その仕組みや役割をしっかりと知っておくべきでしょう。

今回は、災害対策本部とは何か、どういう役割を担っているのか、そしてどのような課題があるのか、紹介をしていきま

災害対策本部とは

大きな災害が起こると、平時とは全く異なる業務が次々と発生します。

災害対策本部は、災害が発生する、あるいは発生する恐れがある時に、行政が組織ぐるみで災害対策を迅速かつ強力に進めるために設置されます。

大きな災害が起こると、平時とは全く異なる業務が次々と発生します。

例えば、電気・水道・通信網・道路などのライフラインが断絶した状況の中、余震や事故による二次的被害の対策、避難所で生活する被災者への支援物資の提供などはその一つです。

災害対策本部を設置することで、組織体制を平時の体制から、災害対応体制へと切り替え、組織が一丸となり対応します。

また、災害対策に関する情報を災害対策本部に一元的に集約し、迅速な意思決定を行います。

地方自治体の災害対策本部

災害が発生した時に、地域と住民の命や体、財産を守る役割を担うのが、県や市町村などの地方自治体です。

知事または市町村長により、災害対策本部が設置された場合、災害対策本部長は知事、市町村長が副本部長、本部員は、知事または市町村長が任命する職員により、構成されるようになっています。

災害対策本部の中心となり、災害対策に関する業務全般を総括するのが、災害対策本部事務局です。

災害対策本部事務局は、防災・危機管理部局が対応することになっており、情報の取りまとめ、防災関連機関との連絡調整、差防災対策実施の総括が役割とされています。

国の災害対策本部

災害の規模が大きく、地方自治体では対応が難しい時には、国の災害対策本部が設置されることになります。

国の災害対策本部の場合は、災害の規模や状況に応じて、「非常災害対策本部」「緊急災害対策本部」が設置されることになります。

非常災害対策本部の本部長は国務大臣、緊急災害対策本部の本部長は、内閣総理大臣が務め、政府が一体となって災害対策を行います。

緊急災害対策本部は、1995年の阪神・淡路大震災、そして東日本大震災において設置されました。

災害対策本部の役割

災害対策本部の役割はいくつかありますが、その中でも大変なものについて、紹介していきましょう。

被害状況の把握

まず、災害が起きたときの状況把握が挙げられます。

実際の災害現場では、被害が大きいエリアに限って肝心な被害状況が上がってこなかったり、情報通信システムが機能せずに連絡が取れなかったりすることがあります。
そういう状況があるため、災害対策本部では自ら何らかの手段で、被害状況の情報を取り肉という考えが重要です。

資源の確保と分配

大きな災害が発生すると、多くの支援物資が届き、また多くの応援人員が派遣されます。

これらの資源を確保して、適切に被災地に分配していくことも、災害対策本部の大切な役割です。

対応方針の決定

先ほどお伝えした最初の役割である、情報の把握に合わせて行われることが、災害対応をどのように行うかの方針決定です。

でも実際は、状況が的確に把握できないこともあるので、事前に防災訓練を行ったり、防災計画を念入りに作りこむなどの、準備をしていく必要があります。

広報活動

災害時には、災害対策本部も情報収集をしますが、被災した国民も同じように情報収集を行います。

その中で、正しい情報を発信していくことは大切です。

最近は、SNSの普及により、デマが流れることもあるため、正しい広報活動も、災害対策本部の大切な役割になります。

組織・部門間の調整

災害時には迅速な対応が必要なことが多いです。

しかし、行政は縦割りになっていることが多く、縦割りの壁を越えて、横断的に業務をしていくための調整を行うことも、災害対策本部の役割になります。

また、大規模な災害になればなるほど、様々な協力機関が入り乱れることにもなるため、それらの組織との調整も重要になります。

災害対策本部の課題

災害対策本部は、いざ災害が起きた際に迅速な災害対応を行うためには、必要不可欠な仕組みといえます。

しかし、近年起きた災害から、いくつか課題も指摘されています。

1つは、災害対応を想定した人材育成が行われていない点です。

地方自治体の職員は、平時の業務に加えて、災害時の業務という、2つの役割があるにもかかわらず、そのことが認識されていないようです。

災害対応を念頭に入れて、職員の人材育成を充実される必要があります。

それに伴って、災害対応のための組織体制も、十分に検討しておく必要があります。

災害時のための部局編成も、あらかじめ考えて置き、特定の部局に業務が偏らないように、柔軟な体制を構築しておく必要があります。

最後に、災害時に対応する職員の勤務体制です。

大規模災害の際は、災害対応も長期化していきます。

東日本大震災の時には、24時間体制が約3か月続いた自治体もありました。

そのため、長期化する業務に備え、職員の勤務体制を検討する必要がります。

災害対策本部という、重要な仕組みを効果的に活用するためにも、実践的な訓練を積み重ねることが大切です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今後も確実に増えてくるであろう自然災害。

過去の経験から、災害時の被害を最小限に抑えるため、災害対策本部という仕組みがあります。

国や自治体のこのような公助を知った上で、自分自身でもできる備えも平時からやっておくべきでしょう。

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