山体崩壊の脅威とは?過去の事例と、発生のメカニズムを解説します

山体崩壊の脅威とは?過去の事例と、発生のメカニズムを解説します自然災害

地球上の活火山の約7%が、日本に密集していると言われます。

海に囲まれている日本は、火山の噴火による火山灰や火砕流など、直接的被害とともに、山体崩壊やそれにともなう津波に対しても、十分な警戒が必要です。

大噴火が話題になる富士山も、過去には何度も大規模な山体崩壊が起きています。

この山体崩壊について、そのカニズム、そして怖さを解説していきます。

山体崩壊とは?

日本列島の多くの火山は、富士山に代表されるように、綺麗な形をしているのが特徴です。

だからこそ、火山噴火といえば河口から上がる噴煙と、吹き出す溶岩流を思い浮かべます。

しかし、100万年ともいわれる、火山の一生の中では、逆に山体を崩壊するような、火山活動が起きることも稀ではありません。

この山体崩壊を伴う噴火が、海岸近くで起きると、山体崩壊によって発生した岩屑なだれが、海へ流れ込み、巨大な津波を引き起こす可能性も高い。

実際、1640年の北海道駒ヶ岳、1741年の渡島大島西山の噴火では、マグマの上昇や噴出により、大規模な山体崩壊が発生し、海に達した岩屑なだれが巨大な津波を活性させたという歴史があります。

それぞれ700名以上、1,500名近くの犠牲者を出しました。

それだけ、一旦発生すると怖い山体崩壊のメカニズムを、少し詳しく解説していきましょう。

山体崩壊のメカニズム

山体崩壊が発生する原因は、大きく2つあるとされます。

火山活動によるもの、風化の進行によるものですが、それぞれ解説していきましょう。

火山活動によるもの

火山活動によって、火山が成長するにつれ、急峻で不安定な地形が生み出されていきます。

それらが作られて、時間が経つにつれ、風化作用や火山体内部での熱水作用の結果、火山そのものがもろく、そして崩れやすくなっていきます。

そのような状況の中で、強い地震や噴火が引き金となり、火山体の一部が、大規模の崩壊するのが、火山活用による山体崩壊のメカニズムです。

その際は、崩壊した火山体がふもとに向かって、一気になだれ落ちる岩屑なだれが発生し、その結果、火山そのものは大きく崩壊し、岩屑なだれが堆積した場所には、ばらばらになり切れなかった部分が、多数の流れ山という小さな丘を作ります。

風化の進行によるもの

火山噴出物などで形成された山体は、風化が生じやすく、集中豪雨や地震、または突発的に、大規模な山体崩壊を発生させます。

巨大な地すべり性崩壊、深層崩壊、転倒型の崩壊という種類があります。

山体崩壊と津波の怖さ

最後に、山体崩壊の怖さを知ってもらうために、記憶に新しい、スマトラ島の山体崩壊を紹介します。

2018年12月22日、日本時間午後11時27分ごろ、インドネシア中部のジャワ島とスマトラ島の間、スンダ海峡で津波が発生。

死者・行方不明者は200名を超えました。

この大規模な被害を起こした原因は、スンダ会場の火山島にある、クラカタウ火山が噴火し、これが原因となって、海底地すべり、または山体崩壊が起きたとされています。

この火山は、1883年にも大爆発を起こし、4万人近くの犠牲者を出したとされます。

日本も海に囲まれた、火山大国です。

このインドネシアの火山津波災害は、他人事ではありません。

実際に日本でも、同様の火山津波による災害は起きています。

それは、1991年に消防団員や調査中の学者など、43名の命を奪った雲仙普賢岳です。

1792年5月21日、死者1万5,000人という、日本史上最大の火山災害である、「島原大変肥後迷惑」を引き起こしました。

山体崩壊と、それに伴う津波の発生が原因とされる大規模な火山災害ですが、日本列島の火山では、このような惨事が、いつ起きても不思議ではありません。

まとめ

地震による津波の発生は、近年の災害によって、私たちの記憶には新しく、それらに対する防災の訓練や意識は過去に比べ高まっているといえます。

今回紹介した山体崩壊は、あまり聞くことも少なく、発声する可能性も他の自然災害と比べると、少ないと思われがちですが、一度発生するとその被害は甚大です。

防災の意識を高める意味でも、山体崩壊についての知識も深め、その備えはどうすべきか、考えるきっかけになればと思います。

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