地震保険は必要?保険の必要性と補償範囲をチェックしておきましょう

地震保険は必要?保険の必要性と補償範囲をチェックしておきましょう火災保険

死者・行方不明者を約2万2000人出した、東日本大震災から10年が経ちました。

その後も、依然として東北地方での地震も相次いで発生し、最近では、熊本、大阪、北海道と、地震の被害に見舞われた地域も増えてきています。

年々高まる大きな地震のリスクを前に、その備えとして、火災保険や地震保険の加入や見直しを行っている人も少なくないことでしょう。

しかし、心のどこかに自分は大丈夫だから保険は必要ないと、考えている人がいることも事実です。

地震保険の加入率も増加傾向にはあるものの、まだまだ未加入の世帯があることはその証拠です。

これから加入を考える人も、すでに加入している人も、地震保険の補償内容について、また、その必要性についても再度確認していきましょう。

地震保険で家財を補償するには

地震のニュースが絶えない日本において、地震保険を検討する人も増えているのではないでしょうか。

損害保険料率算出機構の統計によれば、2019年の時点で、日本全国の地震保険の世帯加入率は、わずか33%程度に留まっています。

日本は世界でも有数の地震大国ですが、公的な支援が充実しているとはいえず、地震にあった際の、経済的なダメージをカバーするための一つに、地震保険の加入はとても重要だといえます。

しかも、保険金の使い道は自由。

建物の修繕費、住宅ローンの返済費用、宿泊費、当面の生活費など、それぞれの状況に合わせた用途に充てることができます。

火災保険は、建物や家財の修繕や購入費のために加入しますが、地震保険は、建物や家財の購入費というよりも、生活を立て直すために役に立つといえます。

日本に住んでいる以上、将来的に地震にあうリスクがゼロにはなりません。

なぜなら、全国地震動予測地図によると、今後30年以内に、震度6弱以上の地震の発生確率がゼロの地域は、日本国内のどこにもないとされているからです。

補償の対象が建物であっても家財であっても、地震保険によるリスクヘッジは、正しく考える必要があるのではないでしょうか。

地震保険の認定基準

地震保険の必要性を考えるために、いざ地震にあった際、どの程度の補償があるのかを知っておくといいでしょう。

2017年1月に制度の改正が行われ、認定基準が3段階から4段階へ変更になりました。

保険の始期がいつからによりますが、どの程度の損害でいくらの保険金が出るのかは、知っておいたほうがいいでしょう。

建物、家財それぞれについて、チェックしておきましょう。

建物

地震保険における建物の保険金額と、損害の程度をまとめています。

「全損」
土台、柱、壁、屋根などの損害額が、時価額の50%以上、もしくは、焼失、流失した床が、延床面積の70%以上の場合をいいます。

その際支払われる保険金は、地震保険金額の100%になります。

「大半損」
土台、柱、壁、屋根などの損害額が、時価額の40%以上50%未満、もしくは、焼失、流失した床が、延床面積の50%以上70%未満の場合をいいます。

その際支払われる保険金は、地震保険金額の60%になります。

「小半損」
土台、柱、壁、屋根などの損害額が、時価額の20%以上40%未満、もしくは、焼失、流失した床が、延床面積の20%以上50%未満の場合をいいます。

その際支払われる保険金は、地震保険金額の30%になります。

「一部損」
土台、柱、壁、屋根などの損害額が、時価額の3%以上20%未満、もしくは、全損、大半損、小半損に至らない建物が、床上浸水した場合を言います。

その際支払われる保険金は、地震保険金額の5%になります。

家財

地震保険における家財の保険金額と、損害の程度をまとめています。

「全損」
家財の損害額が時価額の80%以上の時をいいます。

その際支払われる保険金は、地震保険金額の100%になります。

「大半損」
家財の損害額が、時価額の60%以上80%未満の時をいいます。

その際支払われる保険金は、地震保険金額の60%になります。

「小半損」
家財の損害額が、時価額の30%以上60%未満の時をいいます。

その際支払われる保険金は、地震保険金額の30%になります。

「一部損」
家財の損害額が、時価額の10%以上30%未満の時をいいます。

その際支払われる保険金は、地震保険金額の5%になります。

補償を受けることができる家財の範囲

地震保険は、生活の立て直しに活用できる保険だとお伝えしました。

ただ、補償を受けることができない場合もあるので、その範囲についても知っておくことが必要です。

まず、地震保険の家財は1000万円を上限としています。

そして、保険の対象とすることができる家財は、通常の生活に使われるものに限られます。

自宅兼事務所・店舗の場合や、営業用の設備什器備品、商品などは対象外となります。

更に、家財の範囲に次のものは含まれません。

通貨、有価証券、預貯金証書、印紙、切手、自動車貴金属、宝石、書画、骨とう品などで、1個または1組の価額が30万円を超えるもの本なの原稿、設計書、図案、証書、帳簿など

また、地震の発生から10日以上経過した損害だったり、家財の損害が一部損以上に該当しなければ、保険金の支払いができないので注意しておきましょう。

まとめ

地震保険は、政府と民間の保険会社が共同で運営している、公共性の高い保険です。

補償内容や保険料に差はないものの、加入する際の建物の構造や保険期間で、保険料の割引もありますので、加入する際は、相談する代理店に確認しながら検討することをお勧めします。

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