近年、日本においては、自然災害が頻発しており、全国各地で甚大な被害を受けています。
国民が生活再建をするために、国は様々な支援を行っていますが、その支援の1つに、各種手続きや必要書類の発行というものがあります。
それらの手続きにおいては、被災者からの申請によるものがほとんどですが、申請の受付から、その後の処理を含む各種手続きにおける事務を、迅速かつ効率的に実施することが課題としてあります。
その解決策として、電子申請の導入が提言され、具体的な方策の一つとして、マイナポータルの活用が掲げられています。
令和2年4月より、被災者支援関連サービスの提供が開始されましたが、いざという時にこのサービスを活用できるように、まずはどのようなものかを知っておきましょう。
マイナポータルの概要から、期待できる効果までを解説していきます。
マイナポータルとは
マイナポータルとは、子育てや介護をはじめとする行政手続きの検索や、オンライン申請がワンストップでできたり、行政からのお知らせを受け取ることができる、自分専用のサイトを言います。
平成29年7月から、「子育てワンストップサービス」
平成31年1月から、「介護ワンストップサービス」
の運用が始まり、そして、令和2年4月から、「被災者支援関連サービス」の提供がスタートしました。
まず、このマイナポータルが誕生したきっかけは、災害からの一日も早い復興・復旧を成し遂げるために、被災者が国の支援制度を、最大限に利用できるようにするためというものがあります。
大規模な災害時には、一度に多くの被災者が各種手続きの申請を行います。
当然、被災者と行政の双方において、様々な負担が生じることが想像できることから、より適切な支援の形を実現することが求められてきました。
平成28年に発生した、熊本地震における報告書においても、電子申請の導入が提言されました。
また、令和元年に閣議決定された、「世界最先端デジタル国家創造宣言、官民データ活用推進基本計画」では、災害対策・生活再建支援において、ICTを有効活用することにより、被災者のニーズにたいして、これまで以上に迅速、的確に対応できるようにすること、そして被災者の負担軽減を図る必要性が、指摘されてきました。
ちょうどその頃、マイナンバー制度の開始に伴い、運用されているマイナポータルの活用が揚げられました。
マイナポータルの中にある機能として、「ぴったりサービス」がありますが、住民はこれを利用することにより、住民それぞれに合った情報を検索でき、市町村はオンラインによる申請を受け付けることができます。
まずは子育て世代へ向けて、「子育てワンストップサービス」介護を受ける方へ向けて、「介護ワンストップサービス」そして、令和2年4月から、被災者支援関連のサービス提供を開始しました。
今回は、特に被災者支援制度を多くに人に知ってもらうため、マイナポータルを活用するための準備、そしてどのようなことができるのかを、解説していきます。
マイナポータルのログイン方法は3つあります。
ICカードリーダライタを使う場合、2次元バーコードを使う場合、そして、スマートフォンを使う場合です。
ICカードリーダを使った場合を解説します。
マイナンバーカード、ICカードリーダライタ、そして、パソコンを準備します。
詳しいログイン方法は省きますが、ログインの際、マイナンバーカードの利用者証明用電子証明書パスワードの入力が必要となります。
スマートフォンを使う場合では、マイナンバーカード、マイナポータルAP対応スマートフォン、そしてパソコンが必要となります。
2次元バーコードでマイナポータルを利用するための、マイナポータルAPをスマートフォンにインストールし、Google Playまたは、AppStoreからインストールをして利用していきます。
最後に、スマートフォンのブラウザでログインする場合です。
マイナンバーカード、マイナポータルAP対応スマートフォンを準備します。
この場合も、マイナポータルを利用するための、マイナポータルAPをインストールする必要がありますので、Google Playまたは、AppStoreからインストールをして利用していきます。
マイナポータルでできること
マイナポータルは、私たち住民が、国や地方公共団体及び医療保険などの、行政機関などにある自分の情報を連携した記録や、自分の情報そのものの確認が行えます。
また、行政機関などからのお知らせの確認ができるほか、民間事業者による送達サービスや社会保険料及び税金などの公金決済サービスなどとの連携が行われています。
次に、マイナポータルで提供されているサービスの一覧を紹介します。
・情報提供等記録表示
情報提供ネットワークシステムを通じた、住民情報のやり取りの記録を確認できる
・自己情報表示
行政機関などが持っている自分の特定個人情報が確認できる
・お知らせ
行政機関などから、個人にあったきめ細やかなお知らせを確認できる
・民間送達サービスとの連携
行政機関や民間企業などからのお知らせなどを、民間送達サービスを活用して受け取ることができる
・ぴったりサービス
子育てをはじめとする、市町村のサービスの検索やオンライン申請ができる
・公金決済サービス
マイナポータルのお知らせを使い、ネットバンキングやクレジットカードでの公金決済ができる
・もっとつながる
外部サイトを登録することで、マイナポータルから外部サイトへのログインが可能になる。
マイナポータルに期待される効果
まず前提として、市町村それぞれが、あらかじめマイナポータル上の、ぴったりサービスに被災者支援制度における各種手続きの準備をしておくこと、そして、私たち住民がマイナポータルにログインする準備をしておくことが大切になります。
そう言う準備をしておくことで、マイナポータルの効果は発揮されます。
災害発生後に、被災者は市町村の窓口に行かずとも、自らの被災状況にあった支援制度を確認し、申請届出様式をオンラインで作成・印刷することや、電子申請機能を用いて申請などを行うことが可能になります。
これにより、特に遠隔地に避難した場合を含めて、被災者の負担軽減が期待できます。
また、市町村側においては、被災者からの申請内容を、電子データで受け取ることが受け取ることが可能になり、これにより紙媒体による申請など、受付後の事務作業の削減や入力誤りも防げます。
今後は行政サービスのオンライン手続きが義務化になったりと、マイナポータルの普及を後押しする法律もあることから、ますます普及していくことが予想されます。
まとめ
まだまだ私たちの生活には浸透していない、マイナポータルではありますが、今後行政と私たちを結ぶ、重要なサービス媒体になることは間違いないでしょう。
私たち国民は、マイナポータルにできることをまずは知り、そして実際に使ってみることが大切です。
今後は、子育て、被災者への手続きだけではなく、行政サービスのオンライン手続きが義務化となるため、生活の利便性向上につながることは間違いありません。
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