火災保険の保険期間について、1年契約と長期契約どちらを選択する人が多いのでしょう。
損害保険料率算出機構によると、5年契約をする人が一番多く、その次に1年契約をする人が多いようです。
契約年数を選択できることを、知らないという方もいるかもしれませんが、契約年数の違いでそれぞれ、メリット・デメリットがあるので、知らないということで損をしないように、しっかり知識をつけていきましょう。
火災保険の契約年数
火災保険を契約する場合、1年契約で毎年更新していくものと、5年や10年という長期の契約ができるものと、いろいろなパターンが可能です。
火災保険は、自動車保険などのような損害保険分野になり、通常1年契約のものが多いため、5年や10年といった長期契約ができることを、知らない方も多いかもしれません。
火災保険の長期契約については、近年の自然災害他の増加により、改訂が続いています。
今後、長期契約がどういう扱いになっていくのかも含め、詳しく解説していきます。
長期契約がなくなった理由
火災保険の契約年数は、損害保険会社の支払保険金と大きな関係があります。
支払った保険金が大きくなると、保険金を支払う損害保険会社の負担は重くなります。
その負担に対応するための保険料の設定が、不可欠になるため、保険料率の改定、保険期間の改定などにより、調節をしていくという仕組みになっています。
実は、火災保険の保険期間は、最長36年という設定が可能でした。
2015年10月には、最長10年となってしまいました。
最長期間の短縮は、2014年6月25日に、損保料率機構が金融庁に対して、届出を出したためです。
その届出を出した理由として、「地球温暖化の研究において、自然災害の将来予測については、不確実な要素が多いとされている」というものです。
その後も、自然災害の増加を受け、2018年、2019年に、火災保険の保険料を決める際の参考になる、参考準率の引き上げを行いました。
2020年には、損害保険会社それぞれが、火災保険の契約期間を、最長10年から5年に短縮する方向で、検討を始めたというニュースが流れました。
日本損害保険協会のホームページなどにもありますが、近年の自然災害における保険金の支払いで、平成30年台風21号での支払いが、大きな引き金になっているかもしれません。
その支払い額は、1兆678億円(見込み額含む)と、これまでの支払いを大きく上回る金額です。
このような支払いが続くことが、これから先増えることを考えると、保険料の改定、保険期間の短縮は、避けることができないかもしれません。
つい最近発表されたものとして、2021年1月に、火災保険と地震保険の保険料の引き上げが行われる見通しです。
地震保険の保険期間は、最長5年なので、今後火災保険の保険期間が、最長10年から5年に短縮されるとなると、1年あたりの保険料の上昇は避けられませんが、地震保険も同時に契約するとなると、契約者からすると、火災保険の保険期間と同じになり、分かりやすくなるといえます。
火災保険料の引き上げや保険期間の短縮は、家計面で見るとマイナスな面が大きくなりますが、今後のための備えとして、適切に加入しておくべきでしょう。
ぜひとも、保険料の引き上げ前に、ご自身の火災保険を確認してみることをおすすめします。
年契約と長期契約の比較
長期契約は短縮傾向にありますが、それでもメリットは大きくあります。
1年契約と長期契約の、メリット・デメリットをそれぞれ解説します。
1年契約のメリット・デメリット
火災保険を1年契約にすることのメリットは、少なくとも毎年1回は、補償内容を見直す機会が訪れますので、補償内容を適切なものに変更していくことが可能です。
家にする人の人数の変化は、そのタイミングで、例えば子供が生まれる、親と同居することになる、子どもの進学、就職で家を離れる等、その都度補償の内容を見直し、適切なものにしておくことがメリットといえます。
逆に、デメリットは保険料の面です。
火災保険は一括払いすることが多いので、保険期間が長いほど一度に払う保険料が多くなります。
しかし、長期契約になるとその分割引もあるため、長い目で見ると、1年契約の保険料は長期保険の保険料と比べると、割高になるといえます。
長期契約のメリット・デメリット
長期保険のメリットは、なんといっても保険料の面です。
長期契約をすると、1年契約を繰り返すよりも、保険料の総支払額は安くなります。
例えば、10年一括払いをすると、1年契約の約8年数か月の保険料で契約できます。
1度に多くの金額の支払いは必要になりますが、その負担ができるようであれば、保険料の総支払額は安く抑えることができます。
また、長期契約になると、更新の手間が毎年と比べて少なくなるので、手間が省けますし、毎月の保険料支払いの心配もしなくて済みます。
デメリットは、長期契約は契約をしてしまうと、保険の内容確認の機会が少なくなる点です。
いざ火災保険を使う際、補償の付け忘れなどがあると、せっかくの保険も使えません。
契約時には大丈夫と思っていても、その後の家族の変化などで、補償も変える必要があるかもしれません。
定期的な確認をすることを、気がけておく必要があるかもしれません。
まとめ
今後、火災保険を使う頻度は、多くなると予想されます。
年々多くなる自然災害の脅威は、誰も予想ができないからです。
いざ家に被害を受けると、多額の修理金額がかかります。
そのための火災保険ですので、しっかりと内容を考えて、また保険期間にも気を付けて、加入することをお勧めします。
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