令和に発生した豪雨災害。大きな被害を受けた3事例を紹介します

令和に入り、自然災害が多発しています。

特に、台風など豪雨災害による被害額は、過去の被害額を上回るという報告があります。

これまで、平成16年の約2兆200億円という、1年間の津波を除いた水害被害額が過去最大でしたが、令和元年、2兆1,500億円という被害額。

また、津波以外の単一の被害額については、平成30年7月豪雨による被害額が、1兆2,150憶円で過去最大でしたが、令和元年東日本台風による被害額は、約1兆8,600億円と、統計開始以来最大の被害額となりました。

今後もこのような大きな災害は起こるでしょうが、過去の経験を、次の災害へ活かすためにも、災害の内容を知っておくことも大切です。

令和に起きた豪雨災害害に絞って、紹介していきます。

令和元年台風第15号

令和元年台風第15号は、アジア名ではファクサイ、気象庁はこの台風を「令和元年房総半島台風」と命名しました。

1977年9月の沖永良部台風以来42年ぶりに命名されたほど、日本におけるインパクトは大きいものでした。

台風の発生から被害状況、そして政府の対応までをまとめていきます。

概況と被害状況

この台風15号は、2019年8月30日未明、マーシャル諸島付近近海にて熱帯低気圧として発生。

太平洋をしばらく西へ進んだ後、5日15時に南鳥島近海にて台風となり、アジア名ファクサイと命名されます。

その後9月7日から8日にかけて、小笠原近海から伊豆諸島を北上。8日21日には、中心気圧955hpa、最大風速45m/sの「非常に強い」勢力であると判定されました。

台風の接近に伴い、伊豆諸島や関東地方南部を中心に、猛烈な風、猛烈な雨となり、特に千葉市で、最大風速35.9メートル、最大瞬間風速57.5メートルを観測するなど、多くの地点で観測史上1位を観測する、記録的な暴風となりました。

この台風による被害も甚大で、1名の方が亡くなり、7万棟を超える住家被害が発生。

停電は最大で934,900戸、断水も合計約14万戸発生したほか、千葉県をはじめとして通信障害も発生しました。

政府の対応

この台風15号については、首都圏をはじめとして大規模な停電が発生し、災害救助法の適用団体も2都県42市町村に上りました。

時系列で政府の対応を示すと、

9月6日
官邸危機管理センターに「情報連絡室」を設置
関係省庁災害警戒会議を開催

9月10日
第一回関係省庁災害対策会議を開催
10月11日までに16回開催

9月17日
令和元年度一般会計予備費使用の閣議決定
約13.2億年の予備費となる

10月11日
令和元年8月13日から9月24日までの間の暴風雨及び豪雨による災害を、激甚災害に指定する政令を閣議決定
10月17日に公布、施行される

また、9月10日には千葉県知事から、航空自衛隊中部航空方面隊司令官、陸上自衛隊第一空挺団長に対して、それぞれ災害派遣要請が出されました。

人命救助や患者搬送、倒木などの除去や瓦礫などの除去と、約2か月に渡る災害派遣は、この台風による被害の大きさを表しています。

令和元年台風第19号

令和元年台風第19号は、令和元年台風第15号に続き、関東地方や甲信地方、東北地方などで、記録的な大雨となり、甚大な被害をもたらしました。

アジア名はハギビスですが、当初、令和元年台風19号と呼ばれていたこの台風は、浸水家屋数が台風の名称を定める基準に相当したため、「令和元年東日本台風」と命名されました。

しかし実際は、「東日本大震災」と酷似していることから、NHKなどでもあまりこの名称を使われることは、少なかったようです。

概況と被害状況

この台風19号は、10月1日ごろにマーシャル諸島近海で形成され、5日3時に熱帯低気圧に発生。

6日3時に南鳥島近海にて、台風となり、発生からわずか39時間で、中心気圧915paとなり、猛烈な勢力に発達しました。

上陸直前の中心気圧は955hpa、最大風速は40m/sで、その後は関東地方と福島県を縦断し、13日に温帯低気圧に変わりました。

この台風の特徴は、猛烈な勢力を維持した期間で、7日21時から10日21時までの72時間。

第一位が昭和53年の台風第26号の96時間、平成30年台風第22号、平成16年台風第16号についで、第4位を記録しています。

また、広い範囲で記録的な大雨となり、10日からの総雨量は、神奈川県箱根町で1,000ミリに達し、東日本を中心に17地点で500ミリを超えました。

また、東京都江戸川区では観測史上1位の値を超える、最大瞬間風速43.8メートルを観測、関東地方の7カ所で最大瞬間風速40メートルを超え、12日は、千葉県市原市で竜巻とみられる突風も発生しました。

この台風19号により、死者・行方不明者は100名を超え、9万棟を超える住家被害が発生しています。

停電は最大で521,540戸、断水も合計約17.3万戸発生しています。

政府の対応

この台風第19号については、広範囲において被害が発生しました。

大雨特月警報が13都県に発表され、ダムの緊急放流や河川の氾濫が相次ぐほか、全国で140カ所の堤防が決壊し、災害救助法の適用団体も14都県390市町村に上りました。

10月8日
官邸危機管理センターに情報連絡室を設置
第一回関係省庁災害警戒会議を開催

10月11日
第二回関係省庁災害警戒会議、第一回関係閣僚会議を開催

10月13日 
第二回関係閣僚会議開催、非常災害対策本部を設置
11月7日までに非常災害対策本部会議は18回開催

10月16日
令和元年度一般会計予備費使用の閣議決定
約7.1億円の予備費となる

10月29日
令和元年10月11日から同月26日までの間、暴風雨及び豪雨による災害を、激甚災害に指定する政令を閣議決定、同日公布、施行

令和2年7月豪雨

この令和2年7月号は、これまで紹介した台風ではないものの、長期にわたり梅雨前線が本州付に停滞し、また大量の水蒸気が九州を中心に、西日本から東日本にかけて集まりやすい状態が続き、東北地方から西日本にかけて広範囲で、記録的な大雨や日照不足となりました。

概況と被害状況

鹿児島県薩摩地方、大隅地方で、3日夜から4日朝にかけて、熊本県南部では4日未明から朝にかけて、局地的に猛烈な雨が降り、気象庁は大雨特別警報を、熊本県と鹿児島県に対して発表しました。

この時、熊本県天草・芦北地方や球磨地方付近には、幅約70㎞、長さ約280㎞の大規模な「線状降水帯」が発生していました。

6日から8日かけては、長崎県、佐賀県、福岡県筑後地方、大分県、熊本県北部において、局地的に猛烈な雨が降り、気象庁はそれぞれの県に大雨特別警報を発表しました。

同じように、「線状降水帯」が複数形成されています。

この豪雨は、岐阜県や長野県、そして東北地方へと移動し、各地で大雨による被害が発生しました。

総務省による住家被害の状況は、全壊1621棟、半壊4505棟、一部破損3503棟、床上浸水1681棟、床下浸水5290棟、その被害額は1729億円に上っています。

政府の対応

政府の対応については、7月5日10時、「令和2年7月豪雨非常災害対策本部」を設置、非常災害対策本部会議を軽12回に渡り開催しました。

その後多数の人が、生命または身体に被害を受ける恐れが生じていることから、山形県、長野県、岐阜県、島根県、福岡県、佐賀県、熊本県、大分県、および鹿児島県においては、49市36町13村に災害救助法の適用を決定しました。

また、住宅に多数の被害が生じたことから、熊本県全域に「被災者生活再建支援法」の適用を決定しています。

まとめ

令和3年に入り、まだ大きな災害は発生していませんが、豪雨が起きやすくなる時期には、今年も注意が必要となってきます。

過去は、台風や豪雨は九州地方特有のものというイメージがありましたが、ご紹介した災害状況を見ると、今では日本全国どの地域においても、被害にある可能性は大いにあります。

他人事と思わず、自分事として捉え、何もない平時から備えをしておくことをおお勧めします。

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