再調達価格とは?火災保険で損しないように、評価方法をチェックしよう

火災保険

火災保険を契約する際に、とても大切なことは、保険金額の設定です。

そのためには、建物の評価を正しく計算しなければいけません。

「新価」とも言われますが、同等の建物を新しく建てるのに、必要な金額である「再調達価格」と、建物の経過年数に応じた消耗分を差し引いて評価する「時価」の2つがあります。

これらを理解することが、火災保険を正しく知ることに繋がりますので、詳しく解説していきましょう。

火災保険の再調達価格とは

再調達価格とは、その言葉の意味の通り、火災などで建物や家財が全焼しても、再調達するために、必要な金額が支払われる評価方法をいいます。

例えば、2,000万円でマイホームを購入した場合、この建物にかける火災保険の保険金額は、2,000万円であるべきでしょう。

そのような評価の仕方を、再調達価格、もしくは新価といいます。

再調達価格(新価)と時価の違い

再調達価格、もしくは新価が、仮に火災で建物や家財が全焼しても、改めて同等のものを再築、購入できるのに対し、そうでない評価の仕方をする方法もあります。

「時価」といいますが、経年劣化によって減った価値の減少分を差し引く評価の仕方を言います。

再調達価格と時価を比べると、明らかに再調達価格による保険金額の設定を選ぶと思いますが、過去に加入した火災保険では、時価という評価方法になっているケースも少なくありません。

特に、1988年10月以前に加入した火災保険は、注意が必要でしょう。

この1988年は、保険料率の自由化が行われた年で、それまでは、時価で計算されることがほとんどだったようです。

2015年9月までは、火災保険の契約期間が最長36年まで、設定することが可能だったため、1988年10月以前に開始された火災保険の契約は、まだ数多く残っていることが考えられます。

その場合、保険料が安くても、一度確認してみることをお勧めします。

過去には、一括払いなどですでに支払いを終えているケースも多いと思いますが、経過していない残りの期間分の保険料については、解約返戻金として返金されるので、保険料が無駄になることもないでしょう。

再調達価格(新価)の金額の決め方

火災保険の保険金額を再調達価格で評価する場合、補償対象である建物や家財などの評価額を算出する必要があります。

いくつかパターンがあるので、簡単に解説していきます。

一戸建て新築物件の場合

一戸建て新築物件の場合は、建築時にかかった金額から、土地代や諸経費を差し引いた金額が、建物の評価額となります。

一戸建て中古物件の場合

中古物件は、新築時と比べて評価が少し難しくなります。

建築年と新築時の建物の価格が分かる場合には、「年次別指数法」という計算方法を使って評価額を算出します。

建物評価額 = 新築時の建物の価格 × 建築費倍率

この年次別指数法を利用することで、物価の変動などを建物の評価額に反映できます。

しかし、この建築費倍率は毎年変わるので、計算時には確認が必要となります。

建築年と新築時の建物の価格が分からない場合には、「新築費単価法」という計算方法を使います。

建物の構造や所在地などの条件で決められた、1㎡あたりの標準的な建築費に、建物の延べ床面積を掛け合わせて算出します。

建物評価額 = 新築費単価 × 延床面積

この新築費単価法による算出方法は、標準的な建築費をベースに導き出された概算なので、より実態に近くするために、±30%の範囲で調整が可能です。

マンションの場合

マンションの購入金額には、専用部分の建物の価格だけでなく、土地代・共有部分の価格も含まれています。

火災保険の建物評価額に該当するのは、専有部分の建物価格のみです。

ですので、先程ご紹介した「新築費単価法」にて、建物評価額を算出することになります。

まとめ

火災保険において、支払われる保険金の金額の設定は、「時価額」より「再調達価格」を選択すべきだとお分かりいただけたでしょうか?

いざという時に、思った通りの保険金額が出ないと、せっかく払った保険料ももったいなく感じてしまいます。

万が一時に後悔しないように、これから火災保険を検討する方は、しっかりと再調達価格にて見積もりを、すでに火災保険に加入している人は、ぜひ確認をしてみることをお勧めします。

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