火災保険の雪災が対象にならないケースは?雪の損害別に解説しましょう

火災保険の雪災が対象にならないケースは?雪の損害別に解説しましょう火災保険

火災保険の補償範囲が、火災の時だけでないことは皆さんご存じでしょうか?

実は、様々な自然災害によって、建物や家の中の家財に損害を受けた場合にも、火災保険は利用できます。

今回は、雪による災害の時、火災保険はどう利用できるのか、詳しく解説していきます。

日ごろ雪が降らない地域でも、最近は異常気象のため油断はできません。

きちんと火災保険について学び、備えをしておきましょう。

火災保険における雪災とは

日本の国土の約50%は、豪雪地帯であると国から指定を受けていますが、実際に雪による被害はどのようなものがあるか、またそれが火災保険に適用されるのか、知らない人も多いでしょう。

雪災とは、保険会社の説明などによると、雪の重みや落下などによる事故または雪崩をいいます。

しかし、雪が融けてその融けた水が漏入したり、雪融け水が多く、洪水になって自宅に損害があった場合は、雪災ではなく、水災の補償範囲となります。

このように、雪災はどのような場合に対象となるのか、分かりにくい点もあるので、具体例を用いて解説していきましょう。

落雪でカーポートが破損

一夜で雪が積もっていたということは、雪が多い地域ではよくあることでしょう。

その雪が積もって、その重みでカーポートが破損したり、屋根から落ちた雪でカーポートが破損した場合は、雪災の対象となります。

これは、建物の補償に含まれ、また、カーポートの延床面積が66㎡未満の時に限ります。

雪の重みで屋根が破損

カーポートだけでなく、かなりの雪の量だと屋根の破損も起こりえます。

雪が積もると、かなりの重量になるため、その重みで屋根が破損する場合もあります。

その場合、雪災の補償対象となります。

雪が多い地域だと、あらかじめ雪の重みに耐えることができる、屋根の設計になっていると思いますが、そういう地域でない場合は、もしかするとこういった被害も多いかもしれません。

屋根の破損は、なかなか気づきにくいかもしれませんが、大雪の後、雪が融けた後でも、確認をしてみたほうがいいかもしれません。

雪崩に巻き込まれ、建物被害

雪の事故で一番怖いのが雪崩でしょう。

ひとたび起きると、建物も家財も大きな被害を受けることになります。

もちろん火災保険の対象になりますが、その際補償の対象を建物だけにしておくと、家財の損害を受けても、家財の補償は受けることができません。

建物だけでなく、同時に家財の被害を受ける可能性が高いため、補償の対象を建物だけでなく、家財まで対象にしておいたほうがいいでしょう。

雪災で支払われないケースとは

火災保険に加入しているからと言って、雪によるすべての被害が、火災保険の対象になるというわけではありません。

こちらも具体例をもとに、解説をしていきたいと思います。

雪でカーポートがつぶれ、車も被害にあった

先程、雪の重みでカーポートが破損した場合は、火災保険の対象とお伝えしました。

更に、被害が広がり、カーポートの下に置いてあった車も、天井がへこんだりと被害にあった場合はどうでしょう。

結論から言うと、これは火災保険では支払いできません。

どうしても保険で修理したいという場合は、自動車保険の「車両保険」に加入していれば、保険を使って修理することができます。

しかし、車両保険も2パターンあります。

自損事故や、車同士での衝突でない場合でも、支払い対象になる「オールリスクタイプ」と、車同士の事故に限って保険が使える「エコノミータイプ」があります。

今回のケースでは、「オールリスクタイプ」でないと対象になりませんので、こちらも併せて注意しておいたほうがいいでしょう。

また、自動車保険は利用すると、翌年の保険料が上がるという仕組みになっているので、修理の金額次第では、自腹での修理も考えましょう。

落雪で隣家に損害を与えてしまった

雪が落ちて、隣家に損害を与えてしまった場合は、火災保険の対象にはなりません。

基本的に、自然災害が原因で起きた損害は、人に責任を問うことができません。

ただ、判定は難しいですが、被害が出そうな状況を放置しておいて、その結果、被害を与えてしまった場合は、損害賠償請求ができる場合もあります。

しかし、この場合は火災保険の雪災ではなく、個人賠償責任保険による補償対象となります。

火災保険のオプションとして、付けておくことをお勧めします。

経年劣化と判断された場合

火災保険は、経年劣化による損害は補償の対象にはなりません。

雪の重みで屋根が壊れた場合など、屋根のメンテナンスを怠っており、それで壊れた場合は、経年劣化と判定されることもあります。

定期的なメンテナンスを行っておけば、大雪の時に安心なだけでなく、火災保険が適切に判断されるため、とても大切なことだといえます。

雪融け水で洪水や土砂崩れが起きた場合

こちらは勘違いされやすいですが、雪融け水が原因で、洪水や土砂崩れが起きた場合は、雪が関係しているので雪災のように思えますが、実際は、水災での補償となります。

水災補償については、保険料を安くするために、付けない方もいらっしゃいますので、万が一の時に支払い対象外とならないためにも、しっかりとつけておいたほうがいいでしょう。

まとめ

火災保険については、2021年度1月に保険料の改定が予定されています。

この改定の前に、火災保険を見直ししておこうと考えている人も、多いのではないでしょうか?

そのような機会には、今一度ご自身の火災保険が、様々な自然災害において対象になっているか、確認をしておいたほうがいいでしょう。

自然災害は、年々その威力、そして頻度共に増えてきています。

しっかりと備えるためにも、ぜひここで学んだことを活かしてほしいものです。

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