災害時の対応を定めている法律で、代表的なものに、
1946年の南海地震を軽視としてできた「災害救助法」
1959年の伊勢湾台風を契機としてできた「災害対策基本法」
1995年の阪神・淡路大震災を契機とした「被災者生活再建支援法」
があります。
今回は、災害時に適応される法律の中から、災害救助法について解説していきます。
災害救助法とは
災害時に適応される法律の中で、私たちがよく耳にするものに、「災害救助法」というものがあります。
この災害救助法は、
「災害に際して、国が地方公共団体、日本赤十字その他の団体、及び国民の協力のもとに、応急的に、必要な救助を行い、被災者の保護と社会秩序の保全を図る」
ということが目的とされています。
もう少し具体的に言うと、災害が発生すると、避難所を開設して食べ物や水などを配布したり、衣類や寝具を供給したりなど、地方自治体には多額の費用が発生します。
地方自治体によっては、資金が潤沢にあるところもあれば、そうでないところもあります。
しかし、災害に伴って発生する活動は、お金がないのでできませんともいえません。
そのような時、災害救助法で、応急救助に伴って発生する費用を、国が一部負担してくれます。
その際、注意しなくてはいけないのが、あくまでも災害発生直後の、応急救助に伴って発生する費用のみが対象で、復旧・復興の段階で発生する費用については、災害救助法の対象外となります。
以下に具体的な支援を紹介します。
・避難所の設置
・応急仮設住宅の供与
・炊き出しその他による食用の給与
・飲料水の供給
・被服、寝具その他生活必需品の給与・貸与
・医療・助産
・被災者の救出
・住宅の応急修理
・学用品の給与
・埋葬
・死体の捜索・処理
・障害物の除去
これらの支援が、地方公共団体、もしくは国の費用負担で行われます。
災害救助法の適応基準
この災害救助法は、災害が発生したら、すべての応急救助の費用について適応されるというわけではありません。
災害救助法が適応されるには、指定された基準を満たす必要があります。
それは、
「地方公共団体の人口に応じた住宅の滅失数、あるいは世帯数」
「多数の物が、生命または身体に危害をうけ、またはうけるおそれが生じた場合」
です。
これらの基準に当てはまると、内閣総理大臣が認定した場合に、災害救助法の適用地域が指定され、そのエリア内の人は、避難所での生活や、食糧支援、各種治療などを受けることができるようになります。
しかし、実際の被害現場では、災害発生直後に住家の被害状況を適切に判断することが難しいので、果たして自分の自治体が上記の基準に該当しているのかよくわからないという状況が発生します。
その際に使える基準が、生命・身体に危険が生じている場合です。
災害時は何よりも迅速な法適用が必要である中、この基準による適用が、過去の災害現場でも多く適用されています。
まとめ
ご紹介した災害救助法は、制定後に起きた災害の被害状況を見て、改定され救助項目の追加も行われてきました。
現在であれば、最近の大きな災害である、東日本大震災や熊本地震を受けて、問題点が浮き彫りになったような点も、議論されているようです。
今後も改正がなされていくであろう、これらの法律については、私たちも注目して知識を得ておきたいものです。
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