日本列島は、地価のプレートがひしめき合う火山大国。
いつ、どの火山が噴火するか予測はできませんが、その中で、日本一の山、富士山の噴火がすでに秒読み段階だと予測する専門家が多くいます。
大昔の富士山の噴火の状況から、近年の噴火の状況を研究し、実際に今富士山が噴火すると、どのような被害を及ぼすのか、研究結果も出てきています。
私たちは、そのような情報を得ながらも、いざという時の防災、減災に、平時の内に準備しておく必要があります。
その富士山の噴火について、知識を深めていきましょう。
富士山の噴火の歴史
日本人であれば、知らない人はいない富士山ですが、この富士山が実は活火山ということは、知らない人も多いかもしれません。
末広がりで、美しく均等のとれた姿形も、過去の火山活動を繰り返したことで、形成された結果です。
富士山の噴火の歴史については、諸説あるようですが、約70万年前に、現在の富士山の位置に、小御岳(こみたけ)火山が活動を始められたとされています。
その後も数多く噴火が起き、紀元前3600年ごろから、紀元前1500年ごろ、現在の円錐形の山体を形成したとされています。
近年の噴火において、特に有名なものは、1707年の宝永大噴火でしょう。
南東山腹(宝永火口)から噴火し、黒煙、噴火、空振、降灰砂、雷がなり、その日のうちに江戸にも多量の降灰があり、房総半島まで被害が及んだと言います。
2週間にわたり噴火が続き、家屋や農地が埋まってしまったふもとの村では、多くの人々が餓死しました。
宝永大噴火の後は、富士山では大規模な火山活動ありませんが、江戸時代晩期から、昭和中期にかけて、山頂火口南東縁の、荒巻と呼ばれる場所を中心に、噴気活動があっています。
この活動は、1854年の安政東海地震をきっかけに始まったと言われ、明治、大正、昭和中期にかけて、荒巻を中心とした一帯で、噴気活動があったことが、測候所の記録などで残されています。
この噴気活動は、その後1960年代には終息し、現在山頂付近には、噴気活動は認められていません。
しかしながら、噴気活動はないにしても、山頂火口や宝永火口付近において、地熱が観測されたとの記録もあり、富士山が現在も息づいている活火山である証拠だともいえます。
噴火と地震の関係
地震と火山活動は、関連性があるとされています。
実際に、1707年の宝永大噴火は、宝永地震の49日後に発生しています。
気象庁では、全国110の活火山の活動状況を監視し、噴火の幼鳥について調べています。
一般的には、噴火の前には予兆があるとされています。
例えば、
・人間が感じることのできない地震が起こる
・人間の感じることのできる地震が起こる。
(マグニチュード2~3程度のものが頻発する)
・山体が膨張したり、地殻変動が起きる
過去の記録において、南海トラフや相模トラフを震源とする地震や、近隣地域地震の前後25年以内に、富士山に何らかの活動が発生しており、地震と火山活動の関連性がうかがえます。
また、噴火活動ではありませんが、1331年の元弘地震や、1792年、1891年の濃尾地震では、地震の振動で山体崩壊や、大規模な斜面の崩落が発生したと記録されています。
富士山噴火の可能性
内閣府は、富士山噴火を2兆5000億円規模の激甚災害になると予測しています。
火山灰は東京に5センチほど積もり、コンピューターや精密機器の小さな隙間まで入り込み、ライフラインのすべてを停止させる。
航空機も墜落の危険性があるため、羽田も成田も閉鎖されてしまう。
富士山周辺だけでなく、首都圏全域で、あらゆる機能が麻痺してしまうと予測されています。
また近年では、研究が進んでいる山体崩壊という破局的な現象で、山が変形するほど崩壊し、膨大な岩石や土砂が高速で流れ、もし、富士山で山体崩壊が起きたら、40万人が被災する可能性がるとされています。
このようなシュミレーションができていることは、専門家が、富士山の噴火はいつ起こってもおかしくないと、考えている証拠でもあります。
多くの専門家が話すのは、今後30年以内に、約7割の確率で発生すると言われている南海トラフ地震と富士山噴火が関連していること。
富士山が最後に噴火したのは1707年、大地震から49日後の出来事でした。それから約300年、不気味な沈黙を続けていることも、いつ噴火してもおかしくないと話す理由だと思われます。
頻繁に噴火する火山は、簡単に言うと適度にガス抜きが行われており、大規模な噴火は起こりにくいという傾向があります。
逆に言うと、全壊の噴火からの間隔があいている富士山は、ひとたび噴火すると、大規模なものになる可能性が高いと言われることも、大規模な被害状況になると予測していることの裏付けにもなると思われます。
まとめ
富士山がいつ噴火してもおかしくないと、多くの専門家は言います。
しかし、その時期を正確に予測するのは、誰も不可能なことです。
だからと言って、毎日をびくびくしながら生活するのではなく、専門家が出しているシュミレーションなども考慮しつつ、いざという時にどのような行動をとればいいか、平時にこそ準備する必要があります。
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