地震保険は高い?地震保険の仕組みと割引制度を知って賢く加入しよう

地震保険は高い?地震保険の仕組みと割引制度を知って賢く加入しよう火災保険

毎年増加する自然災害、特に、地震速報が流れると、過去の大震災の記憶が蘇り不安になる時があります。

2017年から段階的に引き上げられてきた、地震保険の保険料ですが、今年2021年に入り、再度引き上げられました。

近年発生している地震により、被害額が膨大になったためですが、今後もこの保険料の引き上げは起こると予想できます。

これから地震保険への加入を考えている人は、そうなる前の加入がお得です。

ここでは、その地震保険の加入を、できるだけ安くする方法をお伝えします。

新規に加入を考える人だけでなく、保険の更新が来る人にとっても、確認の意味でチェックしてみましょう。

地震保険料の計算方法

地震保険の保険料を考える際に、まず知っておきたいことは、地震保険は民間の保険会社と国が運営しているということ。

地震の被害は、一度起きると補償額が巨額になる可能性があるため、国が補償額を再保険することで、保険の信頼性を担保しています。

つまりは、保険会社でカバーできない補償額を、国が補償するというものです。

ですので、契約する保険会社によって、保険料がかるということはありません。

ですので、地震保険料が安い保険会社を探すということは、とても時間の無駄になってしまいます。

地震保険の保険料は次の3つの項目によって決まります。

まず、1つは建物の所在地です。所在地は等地区分という3つの区分に分けられ、1等地ほど保険料が安くなっています。

そして2つ目は、建物の構造です。

構造については、建物の耐火性能による区分で、イ構造、ロ構造の2つになります。

イ構造とは、コンクリート・鉄骨系の耐火性能の高い建築物、ロ構造は、木造などのイ構造以外の建物となります。

ただ、木造であっても2×4(ツーバイフォー)工法など、省令準耐火建築物という構造になることもあるので、確認が必要です。

最後に3つ目は、保険期間です。保険期間は、1年もしくは、長期と呼ばれる2年から5年の期間を選択できます。

保険期間が長いほど保険料は安く設定できます。

これら3つの項目がそろうことで、以下の計算式で保険料は計算できます。

地震保険料=地震保険金額×(地震保険基本料率×(1-割引率)×地震保険長期係数)×1/1000

地震保険を安くする方法

地震保険の保険料を決める3項目があれば、保険料の計算は可能となります。

そして、どの保険会社でも条件が同じであれば、保険料は同じになります。

更に保険料を安く抑えたい場合は、次の2つの方法を検討するといいでしょう。

1つは、建築年数割引や耐震等級割引といった割引制度。

もう1つは、保険料の計算式にもある、保険期間の長さによる長期契約係数による割引です。

この2つについて詳しく解説していきましょう。

4つの割引制度

割引制度は4つの項目がありますので、それぞれチェックしていきます。

1つ目は、築年数割引です。これが適応になると10%の割引が適応になります。

昭和56年6月1日以降に建築確認が取れる建物か、建築基準法改正後の「新耐震」の建物であれば、この割引を受けることができます。

これらの確認のためには、国、地方公共団体、地方住宅供給公社、指定確認検査機関から、「建物登記簿謄本」「建築確認済証」を取り寄せて保険会社に申請をします。

2つ目は、免震建築物割引です。これにより50%の割引が適応になります。

「住宅性能表示制度」に規定されている、免震建築物の基準を満たすことで、この割引を受けることができます。

新築の場合は、「設計住宅性能評価書」を建築会社に出してもらい、それをもとに「建築住宅性能評価書」を作成します。

既存建築物の場合は、国土交通省が指定した、第三者機関に申請し、「建築住宅性能評価書」を発行してもらいます。

3つ目は、耐震等級が1から3の住宅の場合です。

耐震等級1は、10%引き、
耐震等級2は、20%引き、
耐震等級3は、30%引きとなります。

「住宅の品質確保の促進法などに関する法律」で規定されている標準基準を満たしたものに限ります。

4つ目は、耐震診断割引です。これにより10%割引が適応になります。

地方公共団体などによる耐震診断、または耐震改修の結果、新耐震基準を満たした建築物に適応されます。

このような割引が受けることができるかどうかは、まず保険会社に確認し、必要書類は建築会社もしくは、地方公共団体などに申請することになります。

長期契約

もう1つの割引は、保険期間による割引です。

基本的には1年契約ですが、2年から5年分をまとめて支払うことで、長期係数が適用となり、毎年支払うよりも割引になります。

例えば、保険料を2年分まとめて払うと、「1年分の保険料×1.9(長期係数)」となり、「1年分の保険料×2年」よりも割安になります。

3年分だと長期係数は2.8、4年分だと3.7、5年分だと4.6になります。

最長で5年分の長期割引も、長い目で見ると保険料を安く抑えるポイントです。

まとめ

保険は毎月、毎年、そして建物に住んでいる限りずっと支払うものです。

そして保険は、万が一の時の補償はしてくれますが、掛け捨てになります。

少しでも保険料を抑えるためには、お伝えした割引制度や保険期間を確認し、無駄のない保険料設定を心掛けたいものです。

今後増えると予想される地震に対して、私たちにできる備えは限られます。

その1つである保険の加入について、ぜひチェックし見ることをお勧めします。

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